Clap


頬に違和感を覚えてうっすらと目を開ければ昨晩の姿よりももう少し幼くなったリュゲルの姿があって、小さな手がガンダレスの頬を抓ったり叩いたりしていた。

「ん…?おはよう、リュゲル…兄」

「おそいぞがんだれす!はやくあさごはんをつくってくれ!」

わかったよー、と返事をする前に寝ぼけた目がその声によってぱっちりと開かれた。しゃべり方がおかしい。いや、おかしくはない、見た目には相応であるが昨日のリュゲルや普段のリュゲルでは明らかに想像も出来ないほど幼く呂律が回っていないのであった。布団から出たくないが故、もう5分といつものようにくるまっていれば上に乗ってだんだんとジャンプするものだから腰が砕けそうになって飛び起きる。

「おきろ!」

「わーっ!!起きてる!起きてます!」

満足げな笑顔のリュゲルの頭を優しく撫でた。自分よりいくつも低い等身、リュゲルが昨日言っていたことが本当なら明日にはこの姿じゃなくなる、ガンダレスはよく考えればこのような機会はもう二度とないと自分の手を引きキッチンへと誘導するリュゲルを見て思う。

「ね、ねえ、リュゲル兄?歩くのよりも抱っこの方が早いよ?」

振り返るリュゲルの顔を見て目をそらした。
(可愛い…可愛すぎる!!)
ガンダレスは考えるリュゲルを上から見下ろし尖っている唇や大きく丸い瞳、柔らかそうな頬の誘惑に負けてしまった。

「ああもう!!リュゲル兄可愛いよおおおっ!」

「むっ!が、がんだれすやめろっ」

リュゲルに抱き付くと頬をすり合わせ体を抱きしめてガンダレスはたまらない愛しさを全てぶつけた。勿論、ガンダレスはその愛しさを抑える術を知らないからである。

「がんだれす!よくきけ!」

「わかったよリュゲル兄!」

小さなリュゲルは人差し指を突き出し堂々と立っているのに対し、その目の前のガンダレスは正座をしてリュゲルを見つめた。リュゲルはガンダレスの顔を見て目があったことを確認し、話を始めた。

「これはきのうもいったがおれのしゅぎょうなんだ…だから、だきつかれたりするのはすこしこまるんだ。わかるな?」

「わ、わかるけどリュゲル兄…だって、こんなリュゲル兄が可愛過ぎるから!」

「むう…じゃあこうしよう。おれがいいといったときだけだきついてもいいぞ!」

「そっ、そっか!!わかったよリュゲル兄!さすが小さくなってもいい案が思い浮かぶんだね!」

そう言ってガンダレスはリュゲルに抱き付いた。
(まだいいといっていないぞ…)
そう思いリュゲルは迷惑そうな顔をしながら小さくなっていつもと逆の立場になっても悪くないと思い始めた。



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続きはそのうち更新します〜









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