影を操る首無しの化物もいれば、身の内に妖刀を宿す女子高生だっている。
そんな非現実的な存在が最近になって益々増えてきたなぁ、なんて他人事のように考えていた訳だけどまさか自分の身に非現実的現象が起きるなんて。

つまり単刀直入に言うと分裂していた。
何がと聞かれれば俺、折原臨也が。
目を覚ました時、鏡がベッドから生えたのかとでも思ったが、俺が起きても目の前の俺は眠ったまま。
良くできた人形かと触ってみれば、それは人の体温と感触を持ち合わせていたものだから分裂したとしか言い様がないだろう。
新羅に電話を掛けてみても心当たりはない、少し時間を置いてみてよと一蹴されてしまった。これから他の仕事が入っているらしい。

そして数時間が経ち、とっくに対面を果たしてから解った事が幾つか。
まずは、俺が自らを本体であると思っているように、目の前の俺も同様に自らが核であると思い込んでいるようだ。
そしてどうやら性格や癖等は寸分違わず同じものらしく、正直言ってしまえば気味が悪い。顔が良くなかったら見れた物ではないだろう。と、同じ思考回路であるもう一人の俺も思っているに違いない。
記憶なんかも共有されているようだから、こいつに仕事をやらせて俺はシズちゃんの所に遊びに行く事も出来るわけだ。
あぁそれとも二人になった俺を見せてシズちゃんを驚かせてやろうかな、それがいいかもしれない。

「ねぇ、君さ、これからどうするの」
「シズちゃん家行こうと思ってた」
「奇遇だなぁ、俺もそう思ってた所だよ!」

やっぱり考える事はおなじだった。そうと決まれば早速シズちゃんの元へ行こうじゃないか!
仕事なら帰って来て二人で分担すればすぐ終わる。
もう一人の俺には帽子を目深に被せ、家を出た。


シズちゃん宅の扉の鍵をそっと開いて中を伺うと静まり返っていた。
起きていたらどうやって二人で侵入しようかと悩んでいた所だったし、寝てるんなら都合がいいやと適当に靴を脱ぎ捨てる。
安っぽいベッドに収まるシズちゃんは寝心地の悪さと窓から射し込む日光に顔を照らされ今にも目覚めそうだった。
ていうか寝過ぎだよね、もうお昼なんだけど。

「シズちゃんっ、起きて」
「ん…ぁ?」

シズちゃんを二人で挟んで覗き込めば、思い切り顔をしかめられる。
何も言わずに俺達を交互に見たまま絶句するシズちゃんに思わず吹き出しそうになるが、様子を見守る事にした。

「は、何で、二人」
「さぁ?」
「起きたらなってたよ」
「何で俺ん所来たんだよ」

新羅の所いきゃあいいだろうが、と心底迷惑そうな視線を向けられるがおあいにく様、そっちの経路は数時間前に断たれたばかりだ。

「悩んでても戻らないしさ、折角二人になったんだからイイ事しなきゃ損だと思って」
「二人ならさらに効率良くシズちゃんと愛を営む事が出来るかなと思って」
「うるせぇせめてどっちか黙れ寄るな」

それぞれシズちゃんの右足と左足を跨いで迫っていくとそれに伴い後退りされるが、すぐに壁に背中を押し返され逃げ場を失った。
今にも噛み付いて来そうなシズちゃんの口を無理矢理塞ぎ、一瞬の隙をついて舌を捩じ込む。
キスに夢中なシズちゃんのシャツをもう一人の俺が脱がし始めた。

「ん、ぅ…っん」
「わぁ、シズちゃんキスだけで乳首硬くしちゃうなんて相変わらず厭らしい身体だね」
「んんっ!っは、…ん」

尚も唇を重ねたまま口内を堪能していると、もう一人の俺がシズちゃんの胸を弄り出したようだ。
なるほど、二人いるってのは想像した通り随分と便利なようだ。

「っ、んん!」
「もうこんなに腫らしちゃってるよ」
「ねぇ、俺もシズちゃんの乳首苛めたいんだけど」
「二つあるんだから一つずつでいいじゃん」
「っひ、ゃ、やめっ」

一つの乳首につき一人、なんてすごい贅沢だねぇと指で弾きながら耳元で囁けば小さく震える身体。
視界の下の方でもう一人の俺が乳首の辺りを舐めているのが見えて、シズちゃんは舐められるのも好きな事を思い出した。
いつもは一人だから出来なかったけど二人いれば口も二つあるし、これでよりシズちゃんに気持ち良くなってもらえる訳だ。

「ぁ、ひゃ!や、うぁっ」
「ん…、気持ちい?」
「やぁ…やめ、んぁっ」

シーツを握り締めて快感を堪えるシズちゃんの乳首を更にねぶる。
たっぷりと濡らしては舌先を尖らしてつついたり、軽く歯を立てたりと、左右からの違った刺激に頭を振って紛らそうと必死な姿は官能的だ。
噛みつきながら思い切り吸ってやれば、さっきから足元で主張していた熱が硬度を増していくのがわかる。

「ねぇ、コッチも苦しいんじゃない?俺は別にずっと舐めてたっていいんだけどさ」
「ぁ、ん…ひぅ、ぐ」
「それともこのまま乳首でイっちゃうの?」

ニヤニヤと乳首を弄るのは止めずに見上げれば、ふるふると首を揺らす。
まぁ男として乳首でイく、なんてのは只の屈辱でしかないよねぇ。
俺も鬼では無いし、シズちゃんからどうして欲しいか言ってくれれば何だってしてあげるけど。言うまではずっとこのまま。

「ぁ、も、そこっ、やぁ」
「そこって?」
「ふぇ…っ、ち、くび、ぁ、やだぁっ」
「どうして欲しいのか言ってごらん」

まぁ聞かなくても何をして欲しいのかなんて手に取るようにわかるけどね、やっぱり言わせたいよね。
普段は強情で中々言ってくれないけど、二人で攻めれば出来るような気がするっていうか。

「ぁあっ、ん、…やめっ、ろぉ」
「止めちゃったら辛いのシズちゃんじゃない?もっとして欲しいこと、あるでしょ」
「ひっ、うぅ…ぁ、…も、さわって、ぇ」
「触ってるじゃん」

顔を真っ赤にしたシズちゃんは恥を忍んで精一杯のおねだりをしてきた訳だけど、それじゃあやっぱり物足りない。
シズちゃんの口からもっと卑猥な響きを引き出せないかと少しずつ揺さぶりをかけていけば、歯切れ悪そうに言葉を紡ぎ出した。

「ぁ、っおれ、の、下っ」
「下って?」
「もっと具体的に教えてくれないとわからないなぁ」

態とらしく首を傾ければ、涙を湛えた瞳で睨まれるが逆効果な事にシズちゃんは気付いていないだろう。

「…っ、ぁ、おれのっ、ゃ、やら、しぃ…とこもっ」
「うーん…及第点かなぁ」

具体名を言うのはプライドが許さないのか大分濁した言い方をされたが、やらしい所って、下手なおねだりよりもエロいよ。
もう一人の俺がシズちゃんの勃ちあがったペニスを取り出しくわえたのを見て、何とも言えない嫉妬心のような物が沸き上がる。

「ちょっと、分身の身分でシズちゃんの精液舐めるなんて調子に乗ってんじゃないの」
「んむ、っ、そっちが偽者だろ、君こそシズちゃんの乳首を引き続き可愛がってあげなよ」
「ひゃ、んぁっ!しゃべ…な、ぁ」
「ふーん、じゃあ挿れるのは俺にやらせてよ」

自分自身と口喧嘩なんて勿体無い事をしている場合ではない。
裏筋を舐め上げている黒髪を尻目に再び乳首へと顔を近付けた。
空いているもう片方は爪で引っ掻きながら、唾液に濡らした舌を擦り付ける。

程なくして散々焦らされたシズちゃんのペニスからは白濁が吐き出され、もう一人の俺の顔が精液濡れになった。みっともないけど少し羨ましい。
そのままシズちゃんの膝裏に手をかけ、後穴に手を伸ばそうとしたのですかさず制止の声を上げる。

「後ろに突っ込むのは俺が先って言ったでしょ」
「え、そうだっけ?でも俺そろそろキツいんだけど」
「それは俺も同じだって、とにかく俺からだから、お前はそのままシズちゃんの足上げといてよ」
「えーじゃあ解すのは俺にやらしてよ」
「絶対そのまま挿れるだろお前、さっさとどいて」

「どっちでも、い、からっ…は、ゃく、いれ…ろ、よぉっ!」

二人してシズちゃんの方を凝視した。
世にも珍しいシズちゃんからの純粋なおねだりに、先程の口論が嘘のように俺達は連携した動きを見せた。
もう一人の俺に後ろから足を抱えられたシズちゃんの腰を掴み、慣らしも程々に奥まで突っ込む。
二輪挿しも考えたが、幾ら自分の物とはいえシズちゃんのペニス以外と無駄に接近するのはお控え願いたいので、暫し我慢してもらう事にする。

「やぁっ!ひ、ぁ、あぁっ、はげし…っ!」
「こうして見てると撮影した映像を見返してるみたいだなぁ」
「黙ってて、くれるっ」
「だぁって暇なんだもん」

そう言って目を細めて俺にシズちゃんの足を預けたかと思うと、その空いた手で乳首を摘み、先走りを溢しながら天井を仰ぐペニスを握り扱き始めた。

「ひぁああっ!ゃあっ、だ、めだぁっ!」
「っちょ、しめ…すぎっ」
「ほら、早くイって俺に回してよ」
「ぁ、ぁあっ、あ、もっ、いっちゃ…ふぁああっ!」

前立腺を勢い良く突いたのと同時に尿道を刺激されたシズちゃんは、再び自らの胸に精液を撒き散らした。
普段よりも強い締め付けに耐えきれず中に出してしまった。
尚もひくひくと震える中からペニスを引き抜いてシズちゃんを見れば、その奥にいる俺と目が合う。

そいつはにんまりと笑って、「今度は俺の番だね」と言った。

我ながら下品な笑い方だなぁ。



それにしてもこいつは何時消えるのだろう、とその場にいる全員が胸中で思った事は誰も知りえない。








おかだや様より、二人の臨也に乳首攻めで以下略
なリクエストでした
静雄が大してムラムラしていない所には目をつぶってやって下さい代わりに私がムラムラしました

これは最早ギャグです
どうぞ笑ってやって下さい
そして乳首推しすぎた感が否めません
この後「どっちがシズちゃんを多くイかせられるか」とかいって超持久戦するらしいです是非とも頑張って頂きたいものです


この度は一万打リクエストにご参加頂き誠にありがとうございました!

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