「やっと暇が出来たからさぁ、泊まりにおいでよ」


臨也から半月振りの連絡。
前々から泊で一緒に過ごそう、という話はあったのだが臨也の仕事(とよべるのかは分からないが)が中々一段落せずに長いことお預けを喰らっていた。
会えない時間は愛を深める、等といったむず痒いフレーズにも今なら共感出来る気がする。
それ程今日という日を楽しみにしていたというのに。


「さっき仕事終わったばっかでさ、寝ていいかな」
「…早くねぇか」
「ん、ごめ…明日はどっかにお出掛けでも、しよ…」

風呂に入り二人で夕飯を食べて、ふかふかのベッドに倒れ込んだ臨也は既に微睡み始めている。
シズちゃんも寝なよ、とか細い声で言われて仕方無く臨也の隣に横になったが、寝るにしては少し早い。

風呂から上がってベッドまで向かったらそりゃ少しは期待位する。
何せ久しぶりなのだから多少は恋しくも思った物だというのに。
普段はしつこい程にネチネチと求めてくる癖してこういう時に手を出してこないとは、なんと意地の悪い奴だろう。

まず、俺は臨也の家に入るという時点で殆んどそのつもりだったんだ。
半月もの間触れ合う機会が無かったんだから今日位は臨也の好きなようにさせてやろうと思っていたのに。
それなのに静かに寝息を立てられては、調子が狂う一方だ。

目の前には臨也の白いうなじがあって、風呂上がりのいい香りがする。
見ていると変な気分になりそうで後ろに寝返るが、今度は背中同士が触れてそこに熱が生じた。
素足が触れ合って、また体温が上がるような錯覚。
じわじわと身体中が熱くなってきて、浮かされた様に下半身の方へ手を伸ばす。
触れただけで少し硬くなったのがわかった。

「っ…、ぅ」

何をしてるんだと思いつつも、一度始めたら止める事など出来ない。
いつも臨也がしていた様に初めはゆるゆると、次第に先端も弄り出す。
出来るだけ息を殺すようにすると、今度は先走りの水音が耳を犯してきた。
後ろには臨也が寝ていて、そんな状況にどうしようもなく興奮してしまう。

一人でこんな事して浅ましく思われるかもしれないが、ほったらかしにする臨也が悪い。


「は…っ、ん、ぁ」
「んー…」
「っ!」

後ろから臨也の声が聞こえて心臓が跳ねた。
思わず身体が硬直するが、臨也は中々落ち着かないままもぞもぞと身動ぎし続けている。
向こう側に寝返りを打った臨也に薄手の布団を巻き取られてしまい、ズボンを軽く下げた姿が晒された。
我に返って慌てて布団を引き戻そうと振り返ると寝ていた筈の臨也とばっちり目が合う。

「シズちゃん、何してんの溜まってたの?」
「ぁ…これ、は、違」
「隠さなくて良いよ、寧ろ気付いてあげられなくてごめんね」

謝罪している奴の顔ではない。ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべながら背後へとにじり寄ってくる臨也に、今度こそ期待したっていいよな。

「俺が横で寝てるってのに一人で楽しんじゃって」
「それは、お前が俺の事放置しやがるから…ぁっ!」
「でも俺じゃないとイけないでしょ?」
「ひぁ、んんっ!」

後ろから抱き付かれるような体勢で自身を扱かれた。
自らの意思で動かせない上に俺の弱い所を知り尽くしている手に好きな様にされて、一人で触っていた時とは比べ物にならない程の快感に襲われる。
尻に硬くなった臨也のを押し付けられて、また感じてしまう。

「ん、いざ…やぁ、も、ほしっ」
「まだ慣らしてないけど、いいの?」
「ふぁっ、い…からぁっ!っは、やく」

四つん這いの体勢に直されて、熱い塊を後ろに宛がわれた。
そのまま一気に挿入されて、慣らしていなかった分強い摩擦が生じる。
挿れられた瞬間に腕の力が抜けて顔がシーツに沈み、腰だけが臨也の支えによって高く上げられていた。
中で先走りが広がって、少しだけ潤滑油の役割を果たした事によって、臨也が動き始める。


「ぁ、ぅあっ、ひやぁあ!ぁああっ!」
「っ、シズちゃんところてんとか…、そんなに欲しかった?」
「あ…ひっ、ん、ゃ!うご、くなぁっ」
「挿れてーって言ったのシズちゃんじゃん」

達したばかりで敏感になっているというのに、容赦無しに奥を突いてくる。
イイ所ばかり的確に狙ってくるせいで、また俺の自身が勃ち上がり始めた。

「シズちゃん、俺に会えなくて、寂しかった?」
「ふぁっ、あぁあっ、んぁ、ぁ…っ!」
「ねぇってば」

律動を止め、覆い被さって来た臨也が俺の首筋を舐める。
かぷかぷと甘噛みされるのにさえ感じてしまい、催促するように臨也のを締め付けてしまう。

「俺は寂しかったよ…シズちゃんは?」
「っあ…、ぅ、さみ…しかっ、た、ばか、やろっ」
「…可愛すぎるんだけど、反則」
「っひ!ゃ、でか、くす…な、ぁあっ」
「そこはおっきいとか、言ってよ」
「あっ、ひぁ、いざやのぉっ、おっきぃ…!ゃ、んあぁああっ!」
「っ…!」


前立腺をごり、と抉るように突かれてまたイってしまった。
それとほぼ同時に臨也も俺の最奥で精を吐き出した。
ずるりと抜かれて支えが無くなり完全にうつ伏せになると、臨也も乗っかるように倒れ込んでくる。
酸素を取り込もうと膨らむ肺が臨也に押さえ付けられて若干苦しいが、背中の温もりが何だか愛しいので別に良いか。

「シズちゃんっ」
「…何だよ」
「寂しい思いさせてごめんね、その分沢山愛してあげるから」
「……ん」

シーツに埋めた顔が緩みきっていて恥ずかしいので、暫くはこの息苦しさを盾にしようと思う。







何故かシズデレが降臨なさりました
と、いう訳で花里様からリクエスト頂いたムラムラ臨静でした!
こんな変態サイトでも花里様の萌に貢献出来て幸せ者でございます

この度は一万打リクエストにご参加頂き誠にありがとうございました!




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