嘘っぱち



※来神
※臨也さんデタラメな事しか言ってないので信じたら駄目





「え、シズちゃんてオナニーとかしないの」


何がどうなってそこまで話が飛躍したんだ。
今の今まで珍しく平和に世間話をしていたような気がするのは俺だけか。
なんだその本気で驚いた顔は。俺だって別に自慰、くらい、

「…しないなんて言ってねぇだろ」
「あ、だよね!びっくりしたーシズちゃん後ろでイけないのかと思った」


後ろってなんだ、自慰って自分のモン擦って終わりじゃねぇのか?

「…シズちゃんもしかして後ろ弄った事ないの」
「う…後ろって何だよ、前ならともかく」
「そっか、…そうだよね、シズちゃんなら知らなくても仕方ない、かな…?」

なんだそれ、腹立つな。

「今話してるのが俺で良かったよ、多分他の奴だったら笑い物にされてた所だ」「話見えねぇんだけど」
「このままにしておかない方が良いよ、今からでも教えてあげる」

何を、と聞いたら後ろの弄り方、と答えられた。
阿呆かこいつ、何をどう手伝うってんだ。

「今時は後ろも弄ってあげないと性病とかになったりしちゃうんだよ」
「…マジか」
「うんうんマジマジ、どうせ後ろの弄り方もわかんないんでしょ?あ、後ろって分かる?お尻の穴の事ね、慣れると気持ちいよ」

薄々わかってはいたがやはりそうなのか、まぁ後ろっつったらそこ位しかないけどな。

「…正しい触り方とかもあんのかよ」
「あるよ。やっぱり何の知識もないままそこに指突っ込むのは危ないからさ、説明するの面倒だから直接やっていい?」
「馬鹿か!何でお前に触らせなきゃなんねぇんだ」

想像しなくても吐き気がする。
ただでさえ馴れ馴れしいこいつのスキンシップは鳥肌物だってのに、指突っ込まれるなんて考えられるか。

「でも本当に間違ったやり方だと危ないんだよ?自分でやるでも構わないけど、その場合は俺が正しいやり方を指導するから」
「お前今ここでさせるつもりかよ」
「まぁ放課後だし活動してる部活も少ないから平気じゃない?」


ちなみにここは教室で、俺達は地べたに座り込むようにしていた。
急に臨也が立ち上がるものだから釣られて腰を上げようとすると、そのままでいいと制される。
俺の横から目の前まで移動してきて屈み、満面の笑みを浮かべてきた。うぜぇ。

「じゃあ、脱いで」
「…本気で言ってんのか」「本気だって、シズちゃんだって人並みに性欲晴らしたいでしょ」


健全な高校男児ともなれば性に関する事柄にも興味が沸く。し、さっきから俺の脳内には性病だとか危険だとか、そういった言葉がループしている。
今コイツが教えんとしている行為が性病の予防に繋がるなら、多少の恥は忍ぶべきか。

「この機会逃したら誰に教えてもらうつもり?まさか、弟君に聞くなんて事しないよねぇ」

ほら、と手を握られ促されるままにベルトのバックルを外してしまった。
ここまできたら腹くくって行くしかないのか。きっとこれっきり、こんな醜態はこれっきりだ。


「上はいいや、取り敢えず下だけで…」
「…こ、れでいいのか」
「ん、まずは指を塗らす必要があるんだけど今はせーえきでいいや」

ほんとはローションが手っ取り早くていいけどね、と笑う臨也の前で動けないでいた。
見られながら触るとか、無理だろ。

「…やんないの?自分で出来ないんなら俺がやっちゃうよ」
「っ…!自分で、や…る」

見られながらも嫌だが、好き勝手されるのはもっとごめんだ。
そろそろと自身に手を這わして緩やかに扱き始める。程なくして膨張した自身の先からいくらか先走りが垂れ始めた所で、制止の声がかかった。
危うく夢中になりかける所だった。

「人差し指でも中指でも、動かしやすい指でいいからまずは浅く出し入れするんだよ」
「…本当に入んのかよ」
「さっきから疑り深いよ」

半信半疑で右腕を後ろに回すが、入れた所で不衛生な気しかしない。
つぷ、と中指の先を入れて軽く動かしてみるがよく分からなかった。

「…こんなんで意味あんのか?」
「そっから慣らしていって指を増やすんだよ、とりあえず初めてだし一本。少しずつでいいから奥まで突っ込んで」
「ぅ、気持ちわり…」


恐る恐る指を進めると先走りがぐち、と嫌な音を立てた。
思うように指を動かせないでいる俺に痺れを切らしたのか、右腕を掴まれ引き抜かれた。
その向かい合った体勢のまま臨也が抱き着いて来て、引き離そうとするが自身を握られて失敗に終わった。

「っおい、さわ…なっつったろ!」
「だってもどかしいんだもん、俺がやった方が早いし分かり易いよ」
「あっ、う、しね…っ」


元々中途半端に刺激していたせいで、あっという間に再度勃ちあがってしまう。

「あ、ぁっ、も…やめ」
「一回イっちゃおうか」
「ひっ!うぁ、だめ…ぁ、くぁっ!」

左手で扱かれたまま右手で受け止められる。脱力して臨也に凭れ掛かり息を整えようとするが、精液まみれの右手が後ろに伸びてきて思わず体が強張る。

「ちゃんと後ろにも感じる所があるんだよ」
「っは、おい…まだ」
「力が抜けてる時の方が入れやすいでしょ」


俺のより僅かに細い指が一気に奥まで差し込まれて息が詰まる。
そのまま何かを探すように折り曲げたり突かれたりして気が気でないが、その指がある点を掠めた瞬間俺の肩が跳ねた。


「シズちゃんのイイとこみーっけ」
「ひあっ!や、何っ…」
「ここをね、こうすると気持ちいいでしょ?」
「ぁ、んっ、やだっ、それ、っふぁ」

確かに気持ちいい、かもしれないけど一定の間隔で緩くなぞってくるだけの動きではもどかしさが募るだけで足りない。
我慢出来なくて腰を揺らすと指を抜かれた。

「大体わかったよね、今度は自分で弄ってごらん」
「あ…っ、ふ」

今度は迷う事なく指を差し入れて、先程臨也に触られた箇所を探す。
後ろから指を入れる体勢だと触りにくい事に気付いて、一旦引き抜いて足を開き前から入れる事にした。

奥まで到達した指を腹の方に向かって曲げると、まさにさっき触られていた所にしこりのようなものがあった。
届きはするが自由に刺激できる程指の長さに余裕が無くて、どうしたらいいかわからなくなり目の前の臨也に視線を向ける。


「どうしたの?あった?」「あっ…た、けど、届かな、」

目を細めた臨也が俺の膝裏に手を掛けて肩に担ぎ上げた。足が上がった事で腰も上がり、必然的にしこりが近付く。

「どう、届いた?」
「や、あぁっ!すげっ、ん、ひゃ」
「後ろも気持ちいでしょ」
臨也に至近距離でまじまじと見られて余計にジクジクと感じてしまう。
もっと、もっと何か刺激が欲しい。
右手はしこりを弄ったままに半ば無意識で左手を自身に伸ばし、がむしゃらに扱いた。


「んあぁっ、あ、ぅ、ひぁあ!」
「シズちゃん、自分で触って気持ちいい?」
「んっ、ぁ…きもちいっ、ひ、やっ、ああぁぁっ!」

後ろを刺激して溜まった分も前から吐き出した。
いつもより長いような、多いような。



「ねぇ、シズちゃん」
「……ん、だよ」
「もっとイイ事、教えてあげるよ」


あぁでも連続はキツいかな
笑う臨也に拒否の言葉が見つからなかった。



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