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8-2



「…私のターン、ドロー。『マジシャンズ・ヴァルキリア』を召喚するわ」


マジシャンズ・ヴァルキリア ATK 1600/DEF 1800



彼女は自分の手札に現れた日頃から相棒として慕う少女魔術師を降臨させる、現れたヴァルキリアはずれた帽子を直しながら自分の主へと振り返る



《デッキでまだかなまだかなって待ってたんだからねっ氷那!》

「遅くなってごめんなさいね。更にヴァルキリアのモンスター効果でこのカードが表側表示で場に存在する限り、相手は他の魔法使い族モンスターを攻撃する事が出来ない
早速バトルよ、『マジシャンズ・ヴァルキリア』で『宝玉獣 アメジスト・キャット』を攻撃
ここで伏せカード、オープン。罠発動「マジシャンズ・サークル」、お互いのプレイヤーはそれぞれ自分のデッキから攻撃力2000以下の魔法使い族モンスター1体を表側攻撃表示で特殊召喚する」

「え?俺のデッキ、魔法使い族モンスターいないから特殊召喚出来ないけど…」

「特殊召喚出来なかったプレイヤーは相手にデッキを確認させる事になってるわ、いいかしら?」

「なるほどな、そうなる訳かー」


納得し頷くとヨハンはディスクから自身のデッキを取り外し、氷那へと手渡す
彼のデッキを汚さない様に組まれたカード達の中に魔法使い族がいない事を確認するとありがとう、と告げ、彼に返却しデュエルを再開する


「「マジシャンズ・サークル」の効果で私はデッキから『久遠の魔術師ミラ』を特殊召喚
ここで…手札から速攻魔法「収縮」を発動、場上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる
『宝玉獣 アメジスト・キャット』を選択、バトルステップを巻き戻し、巻き戻す前と同じく『マジシャンズ・ヴァルキリア』で『宝玉獣 アメジスト・キャット』を攻撃、マジック・イリュージョン」

「うえ?!」



自分場上で一番攻撃力が低いアメジスト・キャットの弱体化にヨハンは思わずそんな、聞いた方も拍子抜けする様な声を上げるも氷那の攻撃の手は緩まない
不意をつかれたヨハンの場に存在するアメジスト・キャットへとマジシャンズ・ヴァルキリアの攻撃が放たれる



「っぐあっ!」


ヨハン―LP:2600
久遠の魔術師ミラ ATK 1800/DEF 1000


「更に『久遠の魔術師ミラ』で『宝玉獣 トパーズ・タイガー』を攻撃」


ヨハン―LP:2400


「いてて…っ」


氷那の場の彼女の相棒とマジシャンズ・ヴァルキリアと久遠の魔術師ミラの攻撃により、ヨハンの場からアメジスト・キャットとトパーズ・タイガーが散ると残るはサファイア・ペガサス
最初の時点で「収縮」による効果を使えば、サファイア・ペガサスを破壊する事は出来たが、アメジスト・キャットのダイレクトアタックの効果が痛かった彼女はそちらの除去を取ったのだ


「カードを1枚伏せてターンエンドよ」

「どうっすかなぁ…ドロー!ここは…よし!魔法カード「宝玉の導き」を発動する!」

「『自分の魔法&罠カードゾーンに「宝玉獣」と名のついたカードが2枚以上存在する場合、デッキから「宝玉獣」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する』」

「俺はデッキから『宝玉獣 ルビー・カーバンクル』を守備表示で特殊召喚だ!」


宝玉獣 ルビー・カーバンクル ATK 300/DEF 300


「そして『宝玉獣 ルビー・カーバンクル』のモンスター効果発動!」

「『このカードが特殊召喚に成功した時、自分の魔法&罠カードゾーン上から「宝玉獣」と名のついたカードを可能な限りに特殊召喚出来る』…」

「皆、戻ってこい!」


魔法&罠カードゾーンで輝いていた宝玉の殻を破り、ルビーが放った光に呼応し宝玉獣達がヨハンの前へと舞い戻る
自分の場のヴァルキリア達の数よりも上回ったその数に氷那は表面上に出さずとも脅威を感じ、手札を持つ指に自然と力が篭る


(これが…宝玉獣、何て展開力なの…)



「そして手札から装備魔法「団結の力」を『サファイア・ペガサス』に装備させるぜ!」

「『装備モンスターの攻撃力と守備力は自分場上に存在する表側表示モンスター1体につき800Pアップする』…最大限に活用出来るわね、今の貴方の場だと」

「ああ!」


宝玉獣 サファイア・ペガサス ATK 1800→5800/DEF 1200→5200


「早速バトルだ!『サファイア・ペガサス』で『マジシャンズ・ヴァルキリア』を攻撃!」

「馬鹿正直ね、伏せカード、オープン。罠カード「聖なるバリア−ミラーフォース−」で相手フィールド上に攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊させて貰うわ」

「何?!」



ヴァルキリアを宝玉獣達の攻撃から守った防壁により、切り込んで来たサファイア・ペガサスを筆頭にその場にルビーを残し、粒子となった宝玉獣達は魔法&罠カードゾーンへ



「バトルフェイズは無理だな、こりゃ…
けどここで終わる様な俺の家族達じゃないぜ?俺は手札から魔法カード「宝玉の氾濫」を発動!」

「そうね、あなたの魔法&罠カードゾーンに私が送ってしまったものね…」

「「宝玉獣」達を墓地に送ってフィールド上のカードを全て破壊する!そして自分の墓地から「宝玉獣」と名の着いたモンスターを可能な限り特殊召喚する!
そして『宝玉獣 サファイア・ペガサス』の効果でデッキから宝玉獣1体を永続魔法扱いで魔法&罠カードゾーンに置くぜ」



図らずも自分が行った行動によりヴァルキリア達を破壊されてしまっただけでなく、宝玉獣の展開に繋がる起爆剤のスイッチを押してしまった氷那は一瞬の安堵を引き締める
先程破壊されたばかりだと言うのに宝玉獣達はヨハンに答える様に再び墓地から場へ舞い戻る、その姿は確かに宝玉獣達が彼を守っている様だと示唆させるには充分だった



「ふぃ〜危ない危ない、氷那は強いなー」

「大袈裟よ、これくらい…誰もがする事でしょう」

「そんな事ないと思うけどなぁ、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

「…私のターン、ドロー。私は『魔導戦士 ブレイカー』を攻撃表示で召喚、モンスター効果を発動するわ
このカードが召喚に成功した時、このカードに魔力カウンターを1つ置く…魔力カウンター1つにつき、『魔導戦士 ブレイカー』の攻撃力は300Pアップする
バトルよ、『魔導戦士 ブレイカー』で『宝玉獣 アンバー・マンモス』を攻撃」

「くぅっ」


魔導戦士 ブレイカー ATK 1600→1900/DEF 1000
ヨハン―LP 2200


「カードを2枚伏せてターンエンドよ」

「ドロー!オレは『宝玉獣 コバルト・イーグル』を攻撃表示で召喚!」


宝玉獣 コバルト・イーグル ATK 1400/DEF 800



両翼にコバルトの宝石を埋め込んだ鷲がアンバー・マンモスの枠を埋めるかの様に召喚される


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