禁じられたクライシス | ナノ


 天気が良い。


「おーす」

「一緒していい?一護」


 焼きそばパンとコーヒー牛乳を両手に持つ啓吾と並んで一護の前に座る。小島は既にそこにいて、朽木さんも横に並んでいて。ストローをどこに挿すのか迷っている彼女に笑みが零れた。どうしてわからないのだろう、そんな当然の疑問が頭に浮かんだけれど今までお嬢様暮らしをしてきたのならば何ら不思議なことではないと自己完結。本当はひどく気になった。


「よー黒崎」


 背後からの声に反射的に振り向く。‥誰だっけ。金髪アフロに口ピアス、うちのクラスにそんなやついた気もするけど全然思い出せないや。喧嘩沙汰を避けようと啓吾が間に入る。まあ啓吾のフォロー虚しく彼はメリケンサック(と言うらしい)を取り出した、とき


「おぶっ!」

「チャド!」

「ム‥」


 茶渡。知り合ってからもうすぐ3年が経つ。あの大きなからだで不良から何回助けて貰ったことか。ひと一人ぶん投げたというのにまるで何事もなかったような顔に思わず笑みがこぼれた。
 あちこちに目立つ包帯や絆創膏を問い質す一護から離れフェンスに足をかけ空を仰ぐ、と


「コンニチハ!」

「?」


 聞き慣れない甲高い声に振り向いた先には言葉を話す鳥。たしか友達も同じような鸚哥を飼っていた気がする。啓吾と上手く会話を交わすその鸚哥の頭の良さに驚いた。


「(‥変な鳥)」


 茶渡が危険な目に逢うことも知らず。


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