藍染なんかどうでもいい。むしろさっさとしんでしまえばいい。あんたが十刃落ちさせやがったあいつらに寝首をかかれてあの胡散臭い笑顔を引き攣らせたまましねばいい。死神のくせにわたしたち虚の上に立つなんて何様だ。「藍染に完璧な破面にしてもらった」?藍染の力じゃない。この前ウルキオラとヤミーが遭遇した下駄帽子が創った崩玉の力じゃないか! なん、て、言ったところで彼が帰ってくる、はずも、ない。 「 」 指の間から零れる粒は風に攫われて散らばる。ねえ、あんたは一体何を護ろうとしたの。何を護りたかったの。なんで、 なんでわたしをおいていくの。 あんた、約束したじゃないか 「もう、いないよ」 藍染の野郎が連れてきた、この女。嫌いじゃない。根からいい子で優しい上に女らしくて、現世には友人が腐るほどいて。だから、気に入らなかった。嫌いじゃないけどひどく気に入らなかった。 「きっと彼は、」 「理解ったようなくちをきくな!」 おまえなんかに何がわかる。暗闇にひとり取り残されて動きたくても抜け出したくても動けないあの恐怖がわかるのか。あんたは現世にも尸魂界にも友がいるしこの虚圏でさえも6番とあいつがおまえを護っていたじゃないか。 これ以上、あんたは何を望んでいるの? わたしにはあいつしか、いなかった。あいつがわたしの総てだった。あいつだけが、 「返せよ。あいつを、わたしに返してよ‥!」 あいつがいないこの世界でわたしはどうやって生きていけばいいの。 エラー、生きていけません 「すぐ帰ってくる。待ってろ」 わたしはいつも、奪われてばかりだ。 |