どこかで自惚れていたのだ。君ならわたしだけは裏切ることはないと、ただ妄信していた。 一瞬だった。一瞬にして視界が緋色に染まる。本能的に何故という疑問よりわたしを支配する痛み。ああ、熱い。本当やってられない。 「お二人様」 彼の笑顔がはりつけたものじゃなくそのときだけ本当に愉しそうだったのが嬉しかっただなんて滑稽だ。人らしい表情。やれば出来るじゃないですか。真子が視界に入ったとき彼はもう既に笑ってはいなかった。 「、‥ひ より」 ただ涙が溢れたのだ。斬られた痛みで、裏切られた哀しみで、笑みを見れた嬉しさで、下半身のないひよ里の笑顔を見て。どうしてこんなことになってしまったの。本当なら今頃みんな尸魂界で笑って過ごしていたはずなのに。 「 」 なにかが、きこえた。 真子がわたしを呼ぶ声だったか、ひよ里が自嘲的にわらう声だったか、考えたくはないけどリサやハッチの悲鳴だったか、今となっては解らないけれど。それがギン、あんたの発したことばだったのなら、聞き逃したくはなかったよ。 |