連れ添う人間はステータスで撰ぶ。最悪な女だと罵られても今更どうとも思わない、思えない。それ程非道な生き方に慣れすぎた。だってそうでしょう、自分より恰好悪い男と並んで歩きたい人間なんている?性格が重要で外見なんてどうでもいいなんて言う人間ほど顔を見ているものだ。考えてもみてよ、優しくて面白くても顔がニキビだらけで脂汗の凄い巨漢と付き合える?ああ吐き気さえする! 「さっすがオレの撰んだ女」 「あんたがわたしを撰んだんじゃない、わたしがあんたを撰んだんだ」 「どうでもいーよ、お前最高」 今回の男は本当に当たり。愛だの恋だのなんて一切口にせず干渉もない。最初は何だあの前髪とさえ思ったけどあんなに整った顔をしてるのなら顔を隠すのだって納得がいく。きっと彼も無駄な取り巻きはつくりたくないのだろう。 「一年」 「なに」 「出逢ってから」 「もう一年なわけ」 「まだ一年だっつの」 これから何十年あると思ってんだよ くだらなくて信じない筈の未来にときめいてしまったのは内緒だ。 |