ひとりは、きらい。仲間外れとかそういうのじゃなくて、常に隣に誰かの温もりが欲しい。うさぎより淋しがりやだと自負している。 「何を堂々と情けない発言をしているのです」 「いま、さみしいってはなし」 「僕があなたの隣に行くとでも」 「ううん、あわよくば抱きしめていただきたいなと」 案の定なぐられた。本当に容赦無い。じんじんと左側の頭が痛むが気にせずソファに横になる。ところどころに剥き出しの綿が見えるが意外と寝心地は最高だ。‥嗚呼話が逸れてしまった。 「淋しいのなら今すぐ人間と遊びに行けばいい」 「遊んでるよ骸と」 「目障りだ」 ひどいなあ折角友人のいない誰かさんの家に来てあげているのに。そう呟けばしねと一掃された。手厳しい。ねえ気付いてる、君はいつもわたしに対して口が悪いけれど突き放したりしない、それがどれだけわたしを救っていることか。 「わたしは骸がいい」 「何をふざけたことを吐かすのかと思ったら」 「ね、え」 ひとりは、きらい。仲間外れとかそういうのじゃなくて、常に隣に誰かの温もりが欲しい。うさぎより淋しがりやだと自負している。でも、死なない。どれだけ淋しくても辛くても死ぬことはない。うさぎはどうか知らないけれど少なくともわたしという人間は死なない。でも、 「生きることも出来ないんだよ」 「は?」 「骸、すき、だいすき」 「そんなにもう一度殴られたいのですか」 「生きたい」 「‥ばかですね、」 安心なさい、僕も君を まどろみに堕ちたわたしに届くことなく、君のことばは空気と化した。 |