プレゼントにリボンをかけて(塚不二←千石)
2014/10/07


「手塚ぁ、早くリボンほどいて」
「楽しみは後にとっておくものだろう」
「このまま本屋に入るの恥ずかしいよ」
「そうか。なら……」
 手塚はリボンに手を掛けゆっくりほどくと、不二の唇にそっと唇を寄せて…──重ねた。

「て、手塚……今っ」
「俺のモノだからな」
 それは後方から近付いてくるお節介な恋敵への引導でもあったのか。
(キッツイな〜手塚くん、恋のキューピッドに向かって。でも最後まで面倒みちゃうんだもんねー)
 千石も本屋に消えた二人に続いた。


「いい参考書が見つかってよかったね」
「ああ」
 店を出る前、千石は手塚を呼び止め、包みを手渡した。
「はい、手塚くん。オレからの誕生日プレゼント! 参考書なんだ……これから二人で勉強会なんデショ、ぜひ活用してよ☆」
 そう言って千石は二人の背中をぽんと押すように送り出した。


「参考書……だと?」
「今、買ったばかりなのにね」
「相変わらず不可解な奴だ」
「いい奴じゃない」
「ああ。そうだな」
 少し歩いた所で振り返ると、千石が両手いっぱいに手を振りながら何か叫んでいるのが目に入る。言葉は雑踏にかき消されてはいたが、

「ふ・た・り・と・も・が・ん・ば・れ〜」

 そう告げる千石の口の動きはハッキリ見て取れ、手塚と不二は一瞬見つめ合った後、破顔一笑、世話好きなキューピッドに感謝の気持ちを込め手を振り返した。

「しかし……一体どの教科の参考書なんだろうな?」
 呟く手塚の疑問が解消されるのは、もう少し後のお話。


 中身は帰ってから開けてみてのお楽しみで☆


 ひとつオトナになるキミに贈るよ……。


 END





初心を取り戻そうキャンペーン第1弾☆

なんと! 悠人、幻の処女作です。塚不二ですが主役は千石かもです(笑)

一時期サイトに公開していたこともあったのですが、あまりの初々しさにいたたまれず。色んな意味で。だってさ……うわぁぁぁぁあι
でも密かにお気に入りだったりもします(*/∇\*)

エロに目覚める前か……(遠い目)

ところで実はこの話、続きがあったりするんです。
鍵は千石が手塚に贈った『参考書』・・・いつか完全版を書き上げられるといいなあ。

ともあれ、Happy Birthday 手塚☆



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