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「大丈夫だ、もう」

「見てもいいです?」


スーツを着て、真面目そうな顔をしてそんなことをいうんだからコイツは相当むっつりだ。
爽やかそうな顔をして、随分なことをする。


「いいぜ?ほんとむっつりだなお前は」

「……またそれ……」


他でも言われるのか、もうお腹いっぱいみたいな顔をするハル。
そんなハルにくっくっと笑いながら俺は上のニットみたいなシャツを脱いだ。


「あぁほんと、消えてますね」


ハルの手が俺の体に触れる。
その手はちょっとあったかい。
俺はよく分かんねーけど、傷とかキスマークがそこにあったなーと思うところをハルは撫でていく。
よく覚えてんなこいつ。


「擽ってぇよ……」

「下も見ていい?」


でも、それ以上は触れないハル。
ちょっと焦れったくてさらにムラっとした。
煽ってんのか、素なのか。
俺をのぞき込んで言ってくる様に、俺は「おう」と返事した。
そしてトランクスのゴムに手を掛ける。


「……待って」

「は、?」

「いいから。」


ハルがトランクスのゴムに掛けていた俺の手をそっと制止する。
そして、トランスの裾を遠慮がちに捲ると「……消えてる」と呟いた。


「気になんの?」

「え?……あ、いや、痛そうだったんで」


気まずそうに顔を逸らすハル。
それを見てふとかわいそうだな、と思った。

けど、ハルのそういうところを見る度に俺の中の何かが癒える気がした。