2 「あれ?早川さん?」 きょとん、としている隼也を見て俺は「おはよう」と言った。 今日は「おはよう」隼也相手になんていう余裕があるんだから、かなり調子がいい。 「あと俺の名前小早川」 「え?!え?!なんでいるの??」 いつも通りとなりのデスクの椅子を引っ張ってきて、それに跨ると俺の顔をのぞきこむ隼也。 「休む必要もないかと思ってね」 「え?!早川さんなんかすごい元気っすね??隈すごいけど」 「早く仕事片して帰るよ」 「えーーー!なんだー!早川さん居るなら俺もっとゆっくり来てもよかったじゃーーん!てか早川さんの穴埋めが俺にできるわけもないけどね」 仕事がかなり溜まっている。 ちゃんとやっていたつもりだったけど、なかなかペースが遅かったらしい。 俺はその遅れ多分を取り返すために、早速パソコンを覗き込んでいた。 隼也はその隣で俺のパソコンを覗き込む。 どうやら、隼也でもできそうな俺の仕事をさせるつもりだったらしい。 よかった、休みもらってたら隼也に弱みを握られるとこだった……。 「俺だったら絶対休むけどなー!有給休暇!ほしー!!」 「バイトはないんだっけ」 「無いっすよ!!早川さん真面目!よっ!社畜の鏡!!」 「……うるさいよ……」 社畜の鏡なんて言われても嬉しくないし……。 でも有休はもっと大事な時に取っておきたいから……。 だんだんとうるさく感じ始めた隼也に、まぁまだいいか……なんて思って仕事をすすめる。 相変わらず女みたいに話が長い気がする。 「にしても、早川さん」 「小早川」 「小なんてあってもなくても変わんないっすよ。」 「出席番号かなり変わるからね?」 「……ねぇ、早川さん。何かあったんすか?なんで急に元気になったんすか?」 ギクッ 隼也の言葉を聞いてタイプする指が止まる。 そんなに変わった? なんて思うけど確かにうん、そうかもしれない。だって自分でも今日は気分がいいって思うし。 でもその理由が風俗に行ったからなんてことは言えない……。 それこそ隼也にからかわれるネタだ……。 |