1 『俺、ほかのどんな客よりもお前が一番好きだ。』 ベッドの上で思わず顔が緩む。 「ふふ、ふふふ。」 そっか、そっか。 ほかのどんな客よりも、俺が一番。 そっかぁ。 こんなことで嬉しいのはいつぶりだろう。 いや、なんでも一番は嬉しいものか。 とろんとした顔、甘い口ぶりを思い出して俺はうっとりと余韻に浸る。 時刻は午前四時。 もうすぐ出勤の時間だ。 一応有給休暇はもらったけど、行っても問題ないだろう。 そんな気がする。 とりあえず俺はなんだか幸せな気持ちでいっぱいだった。 今から寝たらきっと起きれないだろう。 俺はそのまま起きるとシャワーを浴びることにした。 シャワーを浴びて、ちょっと豪華な朝飯を作る。 豪華と言っても、普段がかなり質素なだけで普通の朝飯。 パンに目玉焼きにソーセージ。 それから付け合せにサラダ、コーンスープ。 と言った具合。 俺にしては豪華な朝飯を手を合わせて食べる。 それから新聞をいつもより読み込んで、テレビのニュースにも耳を傾ける。 新聞はいつになっても読み慣れないけど、面白い記事は面白いと思う。 けど、これを全部読むってなったら一日かかりそうで……なかなか。 そんなこんなをしていると、あっという間に出勤の時間が来る。 俺は堅苦しいスーツを着て、そのまま家を出た。 志乃さんはいま、何をしているだろうか。 |