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ブルーバスター
【File 3-1】逢いにいく


寝れない。
あれからとういもの、家に居たらシノのことばかり考えてしまって、ぼうっとする日々が続いた。

考えないようにはしているものの、無意識のうちに考えてしまってその度に『ほうっ』と熱い息を吐いてしまう。

いつも思うんだけど、体の繋がりっていうのは憎い。
一度抱いて、快感を感じてしまえば、その人を思い出すときは、快感付きで思い出してしまうんだから。
それは思い出す頻度が高ければ高いほど、体に熱が溜まっていく。
そしてその熱を感じるとき、吐き出すとき、その人を思い出してしまう。

……はぁ。
若いっていうほどの年でもない気がするのに、流石に最近の俺は元気すぎる。

キーボードを無心で打ってるように見せかけて、頭の中ではブルーバスターの曲と、シノの声がランダムに再生されていた。


「最近早川さんぼうっとしてるっすね」

「……そんなことないよ」

「あるっすよ。俺が触っても怒らないっすもん」


キーボードを打つ手の上をすすす、と触れるか触れないかの距離で撫でる隼也。
でもそれを見て思い出すのは、シノだった。
シノだったら、どういうふうに触れてくるだろうとか。
隼也の髪色でさえもシノを思い出す材料だった。
同じ髪色だけど、隼也の髪の毛の色は若い、まだ何も知らないような、そんな色に感じて、シノとはちがう。
色んなことを経験してきたような色をしていた。
擦れて廃れたような金……。


「好きな人でもできたんすか?」

「……触らないでよ」

「え?遅!」

「鳥肌がたったじゃないか」

「え?俺のことそんなに嫌なんすか?」

「嫌だよ」

「相当な女好き……」


そこで女好きと発想を改めるところは、尊敬の念を抱くべきところなのかもしれない。
まぁでも、あながち間違ってないような気もする。

けれど俺は、ぞわぞわと鳥肌がたってるのを見て、思う。
同じ金髪でもこうも違うものか……。