3 つまり。 詰まるところ 俺は今勃起をしてるってことが不思議ってこと。 その興奮が、BLUEBUSTERのシノとヤったってことからきてるのか、それともシノという一人の男とヤったってこと、自体からきてるのかってことを、悩んでる。 あと、もしその、後者であった場合、俺はその、ゲイなのかってことが、また。 ゲイ、じゃないとおもうんだけど。 そう言い訳しながら思い出すのは、シノの頭頂から爪先まで。 廃れた金に、切れ長の目。 すっと通った鼻筋に、薄く少し色の悪い唇。 なめらかなフェイスラインに、体格の割には出っ張った喉仏。 少し痩せていた。 鎖骨は浮き出ていて、肋も体を反らせれば浮き出ていた。 目立つ乳首はピンク色で、興奮すると乳輪が少しす窄まって、中心がピンっと主張する。 そういえば今思い出したらへそにはピアスの穴の跡があった気がする。 陰毛は思ったよりも薄かった。 体格に見合った陰茎は、快感を感じる度にぴくぴくと震えて。 その奥の窄まりは赤く充血してた。 細くて白い足は、強く掴むとすぐ赤くなって跡に残ってた。 つま先まで綺麗だった。 俺を嬲った指先も、また、いうことがないほど綺麗だった。 ……こんなにも鮮明に思い出せる自分に少し引いた。 やっぱり俺、むっつりだ。 ……でも、思い出せば出すほど、会いたくなった。 目の裏に焼き付いたシノの目が、俺の目線を絡めとるようにして、離さない。 体の中の何かを引き出すように持ち上げてくる。 体が熱を持って、底の方からグツグツの何かが煮えるように湧き上がってきた。 もう一度、触れたい。 シノの華奢で骨ばった肩を思い出した。 白い、肌。 「君が僕を狂わせる。まるで魔法のようだね、触れるだけでこんなにも幸せだ」 耳に流れ込んでくる声に、目を伏せた。 もう、何度も聞いている歌だ。 被せるように口ずさむ。 するとその自分の声はやけに掠れていて、やけに自分の喉が乾いていることに気づいた。 『結構なんでもやるみたいっすよ。ソフトSMとか』 隼也の声が、変なタイミングで思い出されて、俺はコンボの電源を落とした。 |