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アレは本当にシノだったのか?
もしかしたら、そっくりさんで別人なんじゃないか。
そう思って悪あがきをしてみる。

べつに、シノが風俗嬢をしているからといって、俺の中で何かが変わるわけじゃない。
変わることはないと思う。

俺はずっとシノが好きだったし、これからも好き。シノのファンで居続ける。

だから別にあれがシノでも、別にいいんだけど……。
なんとなくこう、もやもやとするというか。
あれがもしシノなら、シノであってシノじゃないというか、俺の好きなシノじゃないというか。

俺が好きになったシノじゃないというか。

俺が好きになったのはBLUEBUSTERのshinoで、昨日見たのは体を売ってるシノ。
俺がそう、セックスしたのは、体を売ってるシノ。
別物。
かといって彼が嫌いか、軽蔑するかと言われればまたそれは違って、BLUE BUSTERのshinoというレッテルはそうそう剥せるものじゃない。

そもそも別個に考えるなら、俺はあの人に興奮しなかったかもしれない。
え?それ関係あるのかな……。

でも、だってさ、俺がファンでずっと追いかけてた人が、触れられる距離にいるっていうのは興奮する。
それが例え、今はもう消えてしまった人でも、俺が持ってる尊敬の念はあの時から変わってないわけだし。
会ったら拝むレベル。

しかも俺は別に男が好きなわけじゃない。
女の子が好きだ。
可愛い子をみたら普通にえっちしたいな、なんて考えるし。
男がいいななんて一度も思ったことはない。

ほらあの人で最初に興奮したのは喉仏だった。
あの声帯で声だしてるんだって。
あんなに駆使してた喉がここにあるって。
あれ?興奮するところおかしい?

でも思い出すあの人はかわいい……というか、そういえば俺最後らへんあの人をみても、BLUEBUSTERのライブ映像は再生されてなかったかも。

……なんだ、なんだ……?
なんかおかしいぞ俺。
落ち着け、落ち着け俺。

正当化してみようと思ったけど、自分で墓穴を掘ってる気がする。

いや、あんだけめちゃくちゃにして、朝も相当やばいことになってた手前、今更こんなことを考えるのはおかしいのかもしれない。


あーー、待って何考えてるのか分からなくなってきたぞ。