2 アレは本当にシノだったのか? もしかしたら、そっくりさんで別人なんじゃないか。 そう思って悪あがきをしてみる。 べつに、シノが風俗嬢をしているからといって、俺の中で何かが変わるわけじゃない。 変わることはないと思う。 俺はずっとシノが好きだったし、これからも好き。シノのファンで居続ける。 だから別にあれがシノでも、別にいいんだけど……。 なんとなくこう、もやもやとするというか。 あれがもしシノなら、シノであってシノじゃないというか、俺の好きなシノじゃないというか。 俺が好きになったシノじゃないというか。 俺が好きになったのはBLUEBUSTERのshinoで、昨日見たのは体を売ってるシノ。 俺がそう、セックスしたのは、体を売ってるシノ。 別物。 かといって彼が嫌いか、軽蔑するかと言われればまたそれは違って、BLUE BUSTERのshinoというレッテルはそうそう剥せるものじゃない。 そもそも別個に考えるなら、俺はあの人に興奮しなかったかもしれない。 え?それ関係あるのかな……。 でも、だってさ、俺がファンでずっと追いかけてた人が、触れられる距離にいるっていうのは興奮する。 それが例え、今はもう消えてしまった人でも、俺が持ってる尊敬の念はあの時から変わってないわけだし。 会ったら拝むレベル。 しかも俺は別に男が好きなわけじゃない。 女の子が好きだ。 可愛い子をみたら普通にえっちしたいな、なんて考えるし。 男がいいななんて一度も思ったことはない。 ほらあの人で最初に興奮したのは喉仏だった。 あの声帯で声だしてるんだって。 あんなに駆使してた喉がここにあるって。 あれ?興奮するところおかしい? でも思い出すあの人はかわいい……というか、そういえば俺最後らへんあの人をみても、BLUEBUSTERのライブ映像は再生されてなかったかも。 ……なんだ、なんだ……? なんかおかしいぞ俺。 落ち着け、落ち着け俺。 正当化してみようと思ったけど、自分で墓穴を掘ってる気がする。 いや、あんだけめちゃくちゃにして、朝も相当やばいことになってた手前、今更こんなことを考えるのはおかしいのかもしれない。 あーー、待って何考えてるのか分からなくなってきたぞ。 |