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牛乳浣腸?

指示を受けた俺の隣にいた男は、感情も何も無いかのように「はい。」というと扉の外に出てしまった。

浣腸、つまり、牛乳で浣腸するってことか?

たどり着いた考えに、まさかと思うもそれしかない。

これからその餌食になる志乃。
志乃はというと、今まで見たよりももっと青ざめた顔で俺を見ていた。


「志乃、大好きだもんな?牛乳浣腸。」

「……っ、?!」


唇が震えている。
体も震えているように見える。
男がニヤニヤと笑いながら肩を抱きしめている。
志乃の体がとても小さく見えて、まるで少年のように見えた。

口角から何の液体を垂らしているのかわからない志乃は、首を振りながら口をぬぐうのも忘れて男の身体を振り払おうとしている。
けれどそんな力敵う訳もない。


「うっ、」


おまけに破裂音と共に思い切り左を向いた志乃の顔。
思わず自分の右頬まで熱くなって、涙が滲みそうになる。

あぁ、……。

なんて言ったらいいのかもわからない。
頭の中が真っ白になっていく。

ぐたりと座っていた体が大きな音と共にうつ伏せにされたと思ったら、がちゃりと音がした。


「ナイスタイミング。」

「ありがとうございます。」