3 「あぁ、……っ、隼也様は……っ悪くないんです……っ」 すべてを話終わったあと、千尋くんはそう言った。 手が震えて、その言葉もあまり聞こえてなかった。 俺は慌てて携帯の通話ボタンを切って、慌てて家を飛び出した。 志乃さん。 志乃さん。 志乃さん。 どうしてこんなことになってしまったんだ。 俺が間違えたのか。 俺が悪かったのか。 慌てて車に乗り込んでドアを勢いよく閉める。 いつもなら気になるそれも全く気にならない。 キーを挿し込んで、挿し込もうと思ってもなかなか刺さらない。 あぁもう……っ。 バン!!っとハンドルを叩いて頭を擦り付けた。 ちくしょう、ちくしょう。 どうしてもっと早く気づかなかったんだ……っ! サインはあったはずだ。 やっと挿さったキーを奥に回してアクセルを踏み込む。 未だかつて聞いたことのない音が聞こえて、俺は公道に飛び出した。 くそ……っ!! 志乃さん、無事でいてくれ……っ。 |