1 世の中には理不尽なことしかない。こじつけなんて簡単だけどどれも納得出来ない理由ばかり。 どうして俺が? 俺なんかしたか? 我慢出来なくなって当り散らしてみたら、人は理由をくれる。 だけどその理由は納得出来ないものばっかりだ。 俺は与えられた理由に一度も納得したことなんてない。 「うっ、あ……も、もう……っ早く、イけって……っ」 「連れないこと言わないで下さいよ。気持ちいいでしょ」 「気持ちい、わけ……っね、だろ……っ」 ジンが額に汗を滲ませながら、俺の腰を掴むと一気に腰を引き付けた。 ……いってぇ。 背中が床と擦れて、摩擦が起こって熱いとの痛いのでヒリヒリした。 「ここ好き?ここをグリッてすると、シノさんの体ビクってする」 「っ、あ、あ……っ!」 ビクッと体が意思とは関係なく揺れて、体がビリビリと痺れる。 どうしたって気持ちよくて、なんで、どうして。 こんなことされて俺が気持ちいいのは、なんで? 理不尽な事実が突きつけられて、怒りや情けなさがぐるぐるぐるぐる回って、駆け巡る。 「ブルーバスターのshinoの体はちんこ咥えれば悦ぶ体……っかー……ほんと、相当入れ込んでますね」 「やめろ」 「やめろ?何をやめるんですか?ほら、気持ちいいでしょ。俺のちんこしっかり咥えこんでさ、すごい快感感じて、悦び感じてるでしょ?こうされることが好きなんでしょ?」 「すきじゃ、ない……っ、」 熱い、硬い、それが俺の中を乱暴に踏みあらす。 すべてを踏み荒らしていく。 やめろ、本当にやめてくれ。 お前は俺がどんな思いで今までやり過ごしたか知らないくせに。 言葉一つで簡単にすべてを壊していって。 どうしてだよ。 なんでだよ。 どうして俺はこんな思いばっかしなきゃいけないんだ。 それは俺じゃない。 これは俺じゃない。 俺は、男に組み敷かれて女みたいに喘いで喜んでないかいない。 そんな男じゃないんだって。 「ねぇ、なにしてんのシノさん。」 「っう、……っあ、あ……」 「こんなことしたくて、メジャーデビューしたの?」 「やめ、ろ……って……」 「俺好きだったよ?シノさんの声。歌い方。」 「やめ、ろ、……」 「どうして、こんな風になっちゃったの?がっかりです俺。」 俺が一番、聞きてぇよ。 |