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世の中には理不尽なことしかない。こじつけなんて簡単だけどどれも納得出来ない理由ばかり。

どうして俺が?

俺なんかしたか?

我慢出来なくなって当り散らしてみたら、人は理由をくれる。
だけどその理由は納得出来ないものばっかりだ。
俺は与えられた理由に一度も納得したことなんてない。


「うっ、あ……も、もう……っ早く、イけって……っ」

「連れないこと言わないで下さいよ。気持ちいいでしょ」

「気持ちい、わけ……っね、だろ……っ」


ジンが額に汗を滲ませながら、俺の腰を掴むと一気に腰を引き付けた。
……いってぇ。
背中が床と擦れて、摩擦が起こって熱いとの痛いのでヒリヒリした。


「ここ好き?ここをグリッてすると、シノさんの体ビクってする」

「っ、あ、あ……っ!」


ビクッと体が意思とは関係なく揺れて、体がビリビリと痺れる。
どうしたって気持ちよくて、なんで、どうして。
こんなことされて俺が気持ちいいのは、なんで?

理不尽な事実が突きつけられて、怒りや情けなさがぐるぐるぐるぐる回って、駆け巡る。


「ブルーバスターのshinoの体はちんこ咥えれば悦ぶ体……っかー……ほんと、相当入れ込んでますね」

「やめろ」

「やめろ?何をやめるんですか?ほら、気持ちいいでしょ。俺のちんこしっかり咥えこんでさ、すごい快感感じて、悦び感じてるでしょ?こうされることが好きなんでしょ?」

「すきじゃ、ない……っ、」


熱い、硬い、それが俺の中を乱暴に踏みあらす。
すべてを踏み荒らしていく。

やめろ、本当にやめてくれ。
お前は俺がどんな思いで今までやり過ごしたか知らないくせに。
言葉一つで簡単にすべてを壊していって。

どうしてだよ。
なんでだよ。
どうして俺はこんな思いばっかしなきゃいけないんだ。

それは俺じゃない。
これは俺じゃない。

俺は、男に組み敷かれて女みたいに喘いで喜んでないかいない。
そんな男じゃないんだって。


「ねぇ、なにしてんのシノさん。」

「っう、……っあ、あ……」

「こんなことしたくて、メジャーデビューしたの?」

「やめ、ろ……って……」

「俺好きだったよ?シノさんの声。歌い方。」

「やめ、ろ、……」

「どうして、こんな風になっちゃったの?がっかりです俺。」


俺が一番、聞きてぇよ。