2





メルレックのジンはゲイらしい。
軽く頼んでみたら二つ返事で了承するという返事をもらった。
けど、志乃みたいなのはタイプじゃないらしい。
その経緯はよくわからない。
俺にはよく理解出来ないし。
だけど、俺もそこまで深く知る必要はない気がして追求はしなかった。

あ、やら、う、やら短く声を上げながら揺さぶられているの志乃。
その声はあの時ほど色に染まった声じゃないけど、やっぱり色を含んでいる気がした。


「シノさん、勃起してるよ」

「っう、る……せ、も……やめろよ……っ」

「はは、本当はやめて欲しくないくせに。男に善がる淫乱なんでしょ?男なら誰でもいいんでしょ?シノさん。」

「っ、ちが、う……っあ、ぅ、……!」


金色の髪を散らばらせて、床をガリガリ掻きながら感じまいと頑張って。
それでも体は感じで反応して。
頬を赤くしながら歯を食いしばるくせに、たまにそれが緩んで空いたところからどんどん声が漏れる。

惨めだ。

男のくせに男に抱かれることに快感を感じて、そこに愛はない、

誰でもいい。
ちんこ突っ込まれれば感じる変態。

数時間前に電話越しに聞いた声を思い出して、胸を掻き毟りたい気持ちになる。
こんな男に早川さんは突っ込んでた。
入れ込んで、あまつさえ愛の言葉を惜しげもなく溢れさせて。


「んぁッ、く……ぅうう、やめ、やめ……っ」

「聞こえる?ぐちゅぐちゅ言ってんの。俺に突っ込まれてぐちゃぐちゃに引っ掻き回されて好き放題にされてヒイヒイ喘いで、ケツ穴こんなに広げちゃって。やめていいの?」

「や、めろよ……ぉ……!!」


こんな男が、好きだなんて。
こいつも、早川さんが好きだなんて。

信じられない。
信じたくない。

事実を目の当たりにするほど、気分が悪くなる。

なんでこんな男があの人の尊敬する人で、好きなひとなんだ。

なんで、なんでこんなにも世界は理不尽なんだ。

こんな世界なら、
すべて壊れてしまえばいい。
全部壊れてしまえ。


「っあ、ぅ……あ……あっく、や、め、ん、んん……っ」