1 「お疲れ様です都さん」 「あー、お疲れー。風呂空いてる?」 「空いてるんじゃないっすかね?見てきましょうか?」 「あ、いい?頼むよ」 通りかかった黒服を見てニコりと笑う。 黒服は慣れた調子でインカムを使いながら閉店作業をしている。 あー、今日もなんとか終わった。 ハルが来たのを思い出しながらなんとなくゆるゆるの白のニットの中を覗いて見たりして、赤くなった乳首に息を漏らしてしまう。 弄りすぎだろ……あと、キスマーク。 営業妨害。 そう思うのに俺は正直喜んでいて、思わず顔を緩ませてしまう。 緩んでからしばらく経って緩んでることに気づく。 あー、ほんと。 だめだなー。 部屋を見渡せば、部屋の隅においてあった携帯が目に入る。その携帯はチカチカと点滅を繰り返しているから、俺は飛びつくようにその携帯を確認した。 受信メール一件。 慌てて開けばハルからだった。 『今日はありがとうございます。またご飯行きましょう』 そんな文面で、笑ってしまう。 行く行く、つか、キャバ嬢かっつーの。 一々丁寧にメール入れて。 「都さん?シャワー三番空いてました」 「ん?あー、あぁ。」 「どーしたんすか?顔緩んでますよ?彼女ですか?」 「ばか、そんなんじゃねーよ。」 携帯をまた隅にやりながら黒服に笑う。 そうだなー、今度は何を食いたいって言うかなー。 |