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大丈夫じゃ、ねぇ。
お前のせいで。


「志乃くん、正常位……」

「う、うぅ……っ」


壁から剥すように腹回りに手を回されて、そのまま引っ張られる。
そうしたら体がそのまま男の身体に包み込まれた。
そのまま4つん這いにされたと思ったら、ずるっと入っていたちんこが抜けて、俺の体はぐるっとひっくり返された。

視界には灯を背にした男が目に入る。
表情があまり見えなくて、少しだけ嫌悪感が和らいだ。


「志乃くん……」


けれど、声を聞くと胃からなにかがせりあがってくるようだった。

男の顔が近づいてくる。

キスをされる。

そう思うよりも早く唇が重なって、唇をベロっと舐められた。


「う、……ぐ」

「口を開けて」


敏感な肌をなでられて、腹を撫でた手がするすると体全体を撫でていく。

早く口を開けろ、ほら、早く。
そう思うのに口があかない。

頭まで登ってきた手が、やんわりと俺の頭を撫でた。
その優しい手つきが、どこか俺を責めているようで俺を追い詰める。


「は、あ……ぅう」


だめだ、開けたくない。
いやだ。
でも、嫌われたくない。
呆れられたくない。
満足して帰って欲しい。

俺は決死の思いで口を開けた。

男が小さな声で「いい子だ」と言ってもう一度頭を撫でた。


……っ、ハル。