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別にハルと連絡取らないことぐらい、会わないことぐらいどうだっていい。
どうだっていいはずだ。


「志乃くん、気持ちいい?」

「あっ、は……はぁ、ん」


こく、こく、と頷く。
ここに来て俺を選ぶ客は大抵上手い。
的確に前立腺を攻めてくる。
メスイキ、トコロテンなんて当然。
潮を吹かせられることだってある。


「よかった、気持ちいいんだね」

「うまい、から……っあ、んん」

「そんなことないよ、志乃くんとの相性がいいからだよ?」


ふわりと髪の毛を撫でられて、頬を擦られる。
思わずその手に頬を擦り付けて、頭の中がスゥッと冷めた。

あれ、なんか違う。

いや。元から違うけど、もっと、違う。


「は、ぁ……っん、ふぅ……」

「かわいいね志乃くん。志乃くんが可愛いから、俺の全然萎えないよ」

「ほ、んと……っ元気ですね……っん、ぁ……あ、ん!」


嘘か本当かわからない言葉並べられて、それでも俺はそんなおべんちゃらでいつも満足してた。
必死に腰振って、きもちいい、「志乃だから」そう言われたら何より満足だった。

それなのに、今は全然物足りない。

物足りない?いや違う。


「体勢変えようか……ちょっと抜くね」

「ん。ぁ、……っ」


ちゅぽ、と抜けていったちんこ。
穴がヒクンっと疼いた。


「立って壁に手をついて、それからお尻をこっちに突き出して」


俺は男に言われた通りにする。
すると、男が俺の腰を持ってスリッとヌルヌルした熱いちんこをケツ穴にすりつけてきた。


「あ……っ」


その感覚に思わず腰が引けて、壁をガリッと掻いた。


「どうしたの?期待してる?」


男がねっとりと耳元で囁いてくる。
その間にちんこはぬる、ぬる、と穴に擦りつけられて……入って、くる。


「んぁ、あ……っあ……っ」


違う。
押し広げてくる。
広がって、中の方まで、くる。
違う、これは、気持ちよくないやつ。

頭の中が俺にそう訴えてくる。

まて、待て、これは……
この感覚は……なんだ……?