3 適当に自分が使いやすいように掃除された部屋をセッティングして、すぐに客が来るといっていたのを思い出して一応立っておく。 しばらくすると、コンコンと鳴って普通にドアが開く。 「手城?」 手城が見えたから何かと思えば、手城は一瞬こっちに目をやって「ちゃんとしろよ」と目で訴えてきた。 どうやら後ろに客が控えてるらしい。 ちゃんとしろって言ったって、俺はいつもの接客しかするつもりは無いぞ。 「こちらです。」 「ありがとう」 かすかに聞こえた声は少し高めな気がする。 声からすると若そうに思うのだが、……。 まさか、そんな若い子が来るわけないし。 手城が引く、その後ろから現れたのは…… ずいぶんエネルギッシュな顔をした、金髪の少年だった。 予想通りこんなところに来るには若すぎる気がする。 もしかすると未成年とかじゃないのか。 おいおい。 その金髪の少年は、俺を吟味するようにしばらく上から下まで見る。 そしてつま先まで見たあと、俺の顔までの戻ってくると、ニコッと微笑んだ。 その顔の胡散臭いこと。 「こんばんは、志乃さん」 そして少年はそうやって言うと、後ろの扉を閉めた。 |