2 ブルーバスターのCD。 あの人が好きだというから、時々聞いていた。 あの人と同じものが聞きたくて。 少しでもあの人と同じ世界が見たくて。 CDのジャケットは、四人の男の写真とペンキで塗りたくったような青。 目がチカチカするような青。 俺はそのCDを持って、そのままベッドに腰掛ける。 俺の目に映るのは金髪の男。 切れ長の目に、やわらかそうで少し傷んでいそうな金色の髪の毛。 はっきりと浮き出た喉に、色っぽさの滲み出る筋。 こんな男があの人は好きなんだろうか。 思わずするりと撫でたら、ぞくぞくと悪寒がした。 俺がこの男だったら、俺があの人に愛されてたんだろうか。 ―……コンコン。 ドアがノックされる音が響いた。 「隼也様。」 続いて聞こえる声に、俺はブルーバスターのCDを持ったまま横になった。 「俺はもう休むよ」 「昨日の件で少しお話があります。隼也様さえよければ明日でもよろしいのですが」 昨日の件。 俺は千尋に頼んでいたことを思い出す。 そうか、あの男について情報を集めろと言っていたんだっけか。 「あぁ、うん。そうだったね、入ってよ」 |