2 「千尋」 「はい、なんですか」 俺は家に帰って、速攻パソコンを立ちあげると検索サイトで『BLUEBUSTER shino』という言葉を打ち込む。 検索結果はさすが一時期有名になったバンドというところか、たくさんの記事があった。 膨大な情報の中、スクロールしていけば一つ気になるワードを見つける。 『BLUEBUSTER shinoの現在』 そのページは掲示板のようだった。 思わず吸われるようにクリックして、その記事を読む。 「……嘘でしょ。」 そこには、shinoの経歴が事細かに書いてあり、テレビから消えたあの日から現在の様子に至るまですべて書いてあった。 『堕ちたBLUEBUSTERのshino。多額の借金を抱えたshinoは、仕事がなくなり返す宛がなくなった為、体を売るようになった。現在も借金は返し終わって居らず、とある風俗店で売り専もどきをして借金を返している。』 『仕事ないのに遊んでたからだろ』 一言目のコメントに対してみんながコメントしている。 インターネットは、信憑性はないがこれを見るとあの人とshinoがつながった理由にも納得がいく。 身売りしている上に男? そんな人にあの人は誑かされてるっていうのか。 まずは情報を集めて彼について調べよう。 話はそれからだ。 ……なんとしても、彼に早川さんを渡すわけには行かない。 もう彼のものなら、取り返さなければならない。 「……千尋、BLUEBUSTERのshinoについて調べて。金はいくらでも出すから」 「えっ……」 「探偵でも雇えばいい。この人について調べて欲しい」 「でも、そんな」 千尋が不安気な顔をする。 けれど俺は千尋を見つめた。 「なんだってするんだろ。千尋。」 |