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気持ちよさそうな顔に紛れて、時折すごく辛そうな顔をする志乃さん。
俺はその理由がわからなかった。
それに、志乃さんが辛そうな顔をするのはいつものことだし……。
また何か、俺には理解出来ないようなそんなことを考えているのだろうなと、そう思いながら俺は志乃さんの頬を撫でた。

きゅんきゅんと締まる後孔。
志乃さんの顔が、どんどん蕩けていく。


「志乃さ……っは、俺のこと、好き……?」


俺の腰に巻きついた足がきゅううと締まる。
志乃さんの顔が赤い。
蕩けた目が俺を捕らえて離さない。

テンプレのように問い掛けて、志乃さんを揺する。
入っているモノが、まるで全身のように感じる。
そこで感じている快感が、全身へと響き渡って快感の渦に巻き込まれる。


「はぁ、ハル……っハル、好きだぜハル……」


目で追いかけていた唇が、言葉を紡ぐ形をとって、音が遅れてくる。
『好き』と耳が聞き取った途端、体が宙に浮くようなそんな錯覚を覚えた。

あぁ、きっとそれは、本心からじゃないんだろう。
社交辞令なんだろう。

けれどそんな言葉でさえ、俺には嬉しくて。


「ほんと……っ?志乃さん、志乃さん……っ!」

「ハル、……っう、あ……っはぁ、も、もっと、もっとシ、て……!!」

「かっわいいなぁ、志乃さんは……っ」



でも、胸の奥がツキリと痛むのは、否定しようのない紛れもない現実。