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ひとしきり、好き放題にキスをした口が離れていく。

離れていくのに合わせて目を開けたら、唾液で出来た糸がふつっと切れるのが見えた。

あー……えっろ。



「志乃さん……」

「ん、……なに。」


優しい顔をしているくせに、どこか強引な顔をしている。
そんな顔に見つめられて、いつもだったら不快に感じるのに今日は感じなかった。

ふっと表情を緩めたハルが、まだ俺の体を覆っている布に手を掛ける。


「脱がせるよ」

「おう……」


背中を浮かせ、少し腕を上に上げるとそのまま無くなるニット。


「あぁ、志乃さん……乳首ぷっくりしてるね。」


恍惚の笑みを浮かべて、俺の乳首を見るハル。
そうだ、放置プレイを食らった俺の体はジクジクと小さな熱に苛まれていた。

すこし、すうすうする……けれど寒くない。

意地悪い。
ついさっき触っていた乳首を、さも触ってないかのように振舞うハルに、俺は目を細めた。


「誰かさんが散々嬲ったからなぁ」

「アレは志乃さんが勝手にしてって言ったんでしょ?」

「俺が言い出したみたいにいうけど、お前があんな風に身体なでるから、」

「志乃さんは俺が体撫でると感じちゃうんです?」


触って欲しいと主張し始めている乳首。
そんな乳首が目に入って、俺は首を縦にも横にも振れずにいた。

全く、好き勝手言ってくれる。


どうもスイッチの入ったハルは、誰だお前と言いたげに強気になる。
これがこいつ本来の性格なのだろうのか?