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「心臓、やーべ。」

「志乃さん……あ、あんまり体押し付けないでよ……臭いが」

「臭い?くせぇ?」


前の客?それとも、汗?
少し体を離してハルを見る。
けれどもハルの顔は赤かった。

どうやら違うようだ。


「違う、志乃さんの、匂い……」


ハルが体を引き剥がそうとしてくる。
だが俺はそれを許さない。

だってよぉ、乳首触ってきてちんこも半勃ちになってたのに放置されたからなぁ?


「ん?匂い?匂いすんの?俺」

「甘い、少し甘い、匂い」

「嗅げよ」

「はぁ?!」

「ほら、甘いんならいいだろー?」


俺は体を反転させて、ハルのあぐらに跨るように座ると、首筋をハルの鼻の方へ押し付ける。


「お前さぁ、変態だよな」

「ん、ふ……なんで……」

「喉仏に興奮したりよぉ、匂いに興奮したりよぉ。変なの、全部オトコが出てる部分じゃん。お前ノンケだろ?」

「別に俺……女の子の代わりに、してるわけじゃない……ですから……」

「……」

「志乃さんが、好きだから、志乃さんに興奮するんですよ俺」


今度は俺の心臓がドクッと音を立てた。
何を言うんだこいつは。
そう思ったけど、なにか言い返すより先にハルが、倒れてくる。


「煽ったのは、志乃さんだ。」