6 ハルは俺を見たまま、言いにくそうに視線をそらしてからやがて決心を決めたように俺の目を見た。 「なんで急に……」 「んー?気になって?教えろよ。みた?みてない?」 頭が当たっている胸に、頭をグリグリ押し付ける。 「痛いよ」と言ったハルが、俺の頭を押し退けようとするけど無視だ。 「そりゃ、見てないって言ったら……嘘になりますけど」 「ほう?見たのか」 「そんなに、」 「ん?」 「思い出す……ぐらいです。今まで……した……やつとか」 「今までしたやつ?」 「そうです……」 今まで、ここでしたのとか? あーそういえばこいつの車の中でもしたなぁ。 「じゃあさ、ハル」 「はい?」 「車乗るのも大変なんじゃねぇの?」 ニヤニヤと口角が上がる。 ふぅん? そんなに俺としたセックスいちいち覚えてるなんてなぁ? 顔を見るけれど予想したハルの返事が返ってこない。 てっきりさっきみたいに照れると思ったんだが。 「大変って……っ、あ!!」 「なんだよ忘れてたのかよ?」 「その後の方がインパクトが、すご……かったから……」 ドクッドクッと心音がでかくなる。 あー、丸聞こえだぜー? 全部、伝わってるぜ?ハル? |