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「ふ、ぁ……お、俺が言うまで、イかせないんじゃなかったんですか……」

「うっせー、情けなく喘いどいて……」

「シノさんだって、俺の舐めて勃起してる変態じゃないですか」

「その変態にイかせられてるお前だよ」


振り返ったシノの顔は、見たことがないほどにエロかった。
欲情してる、ってのがモロにわかる具合にエロい。
薄く開いた唇から、間隔が狭くなった息が漏れている。

ライブで感じていたあのエロさとは全く違う、もっと直接的な感じ。


「変態、ですか」

「あぁ、プライドもクソも捨てて男に媚売って、チンコ勃起させてケツ穴引くつかせてる変態だよ」

「おしりの穴、ひくついてるんですか?」

「見れば?」


隙間からは到底みえない。
少しだけめくってみれば、シノが見やすいように、尻を左右に引っ張った。
シノは腕という支えがなくしたからか、上半身を俺の下腹部あたりに預けるように倒れた。
ズシン、と重みを感じる。

釘付けになっていた目線の先には、見やすくなったシノの後ろの穴が現れる。


「どう?突っ込みてぇだろ?」

「っ、」

「ちんこでかくなった。元気だなーさすが若い。心と裏腹に体は素直ーってな。悔しいだろ?」

「悔しい?」


ひくっと収縮して、次にはじわぁっと弛緩して。奥まで見えそうなのにまた、きゅっと窄まる。
それに思わず包まれるのを想像して、ちんこが疼いた。
ぶるりと震えれば、シノがくっくっと笑う。


「こんなクズに好きなようにされてんだぜ、お前」


トーンが、落ちる。
けれどやっぱり、シノ自身はそれに気づいてないようで、そのまま何かをしている。

さっきから思っていたんだけど、どうしてそんなにたまに悲しそうな顔をするんだろう。
どうしてそんなに、全てどうでもいいって感じで自分を卑下するんだろう。


「く、ずって」

「まぁ、好きなだけ馬鹿にしろよ。でも馬鹿にするだけで帰るなんて言うなよ、そんなん俺馬鹿にされ損だわ。もっと俺の落ちぶれた姿たーんとみて憐れんでってくれよ。『他人の不幸は蜜の味』だろ?」


精液と金、搾り取れるだけ搾り取ってやるよ。

シノが付け足した言葉には、あまり意味はないように感じた。