4 会議が長引いた。 相当に眠くて、途中寝そうなのを何度も太ももをつねることで回避した。 あざになっているはずだ。 俺は伸びをしながら元のワークルームに戻る。 腕を見てみると、もう時計の短針は6に近かった。 「あ、おつかれさまっす。早川さん」 俺と一緒に会議に出席した奴はこの部署にはいなかったし、また俺一人で残った仕事と戸締りをして帰るんだろう。 そう思っていたら、中から声がした。 「あれ、隼也?」 「遅かったっすねぇ」 隼也は俺のデスクに座ってあくびをした。 「どうしているの?」 「ん?そりゃ待ってたからっすよ」 「どうして待ってるの、帰っとけよ」 「いやぁ、少し聞きたいことあって……あ、そうだ早川さんこれ。」 隼也が椅子から立ち上がると、ガサガサと音がした。 何かと思えば、隼也がビニール袋を差し出してきた。 「これ、なに?」 「睡眠導入剤ってやつっすよ。」 「睡眠導入剤?」 「そう。早川さん最近寝れてないっすよね?クマ本当すごいっすよ」 「買ってきたの?」 「安心してください。ちゃんとバイト代から落としたっすよ」 「バイト代からって自分の家のお金には変わりないよ……」 「またまたそういうこと言う?」 隼也に差し出された袋を受け取って、中を見たら確かに箱が入っていた。 睡眠導入剤って……。 心配してくれてるんだから、素直に受け取っておくべきなのかな……? |