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会議が長引いた。
相当に眠くて、途中寝そうなのを何度も太ももをつねることで回避した。

あざになっているはずだ。

俺は伸びをしながら元のワークルームに戻る。
腕を見てみると、もう時計の短針は6に近かった。


「あ、おつかれさまっす。早川さん」


俺と一緒に会議に出席した奴はこの部署にはいなかったし、また俺一人で残った仕事と戸締りをして帰るんだろう。
そう思っていたら、中から声がした。


「あれ、隼也?」

「遅かったっすねぇ」


隼也は俺のデスクに座ってあくびをした。


「どうしているの?」

「ん?そりゃ待ってたからっすよ」

「どうして待ってるの、帰っとけよ」

「いやぁ、少し聞きたいことあって……あ、そうだ早川さんこれ。」


隼也が椅子から立ち上がると、ガサガサと音がした。
何かと思えば、隼也がビニール袋を差し出してきた。


「これ、なに?」

「睡眠導入剤ってやつっすよ。」

「睡眠導入剤?」

「そう。早川さん最近寝れてないっすよね?クマ本当すごいっすよ」

「買ってきたの?」

「安心してください。ちゃんとバイト代から落としたっすよ」

「バイト代からって自分の家のお金には変わりないよ……」

「またまたそういうこと言う?」


隼也に差し出された袋を受け取って、中を見たら確かに箱が入っていた。
睡眠導入剤って……。

心配してくれてるんだから、素直に受け取っておくべきなのかな……?