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待って、これは深く理由を聞くべきか、それともここで打ち止めて俺は速攻帰るべきか。
いや、そもそも俺の考え違いかもしれない。

いや、でも、今以上に深いつながりってなんだ?

俺は男だぞ。
隼也も男だろ?

俺が男を好きになっているからと言って、それは普通じゃないことだ。
……ただ単純にまたからかってるのかもしれない。

からかってる?

いや。

目の前の隼也に目を向ければ、隼也は真面目そうな顔をして俺を見ている。
これは別にからかっている顔じゃない。


「隼也……?」

「なんですか……」

「いやあの、そういう冗談良くないかなって……思って」

「冗談?なんのことっすか?俺冗談なんか言ってませんけど」

「いやその」

「早川さんすごいブルーバスター好きっていうから、どんなもんかと思って聞いてみたんすよ。」


隼也はさっき片付けたCDを持ってきて、デビューシングルであるそのCDを吟味するように眺めた。


「早川さん、こんなんが好きなんすねぇ……。聞いてて自分もかっこよくなれる気がする感じ」


俺を見て、純粋にブルーバスターの評価を言っていく隼也。
普段なら熱くブルーバスターを語るところだけど、俺はいろいろ気掛かりでそれはできなかった。

志乃さんのことを思い出した、それもあるけれどちょいちょいと引っかかる隼也の言動にも戸惑っている。

俺は昔から、好意を向けられなかったことはないわけじゃないし、多分普通よりモテた。
だから、好意にはそこまで鈍感じゃないと思う。


だから、隼也が向けてくる気持ちにも、引っかかるものがあった。