2 「どうしてブルーバスターのCDが?」 「え?……あ、あぁ、出しっぱなしだった……」 完全に忘れていたのか、隼也は急いでそのローテーブルの付近に行くと、CDをかき集めてCDが元あったらしいところに片付けた。 「どうしてあるのか気になったんだけど」 「……それは、」 「だって年代違うよね?それ、俺が高校生の時のだもん。今ならさ……ダスティーとか、メルレックとか。クロップドクリュー?……最近のわかんないや」 「……俺も分かんないっすよ。ていうかめっちゃ知ってるじゃないっすか。俺わかんないっすよ、あんまり音楽聞かないっすから」 「じゃあどうしてブルーバスターは知ってるの?」 隼也が、答え辛そうに唸る。 そんな隼也を見るのは初めてで、面白くなってきてしまう。 「なんでだよ?」 ニヤニヤを抑えられずに問いかけてみたら、隼也は俺をしっかりと見つめた。 そしてゆっくりと俺に近づいてきた。 「早川さんが聞くから……っすよ」 「え?」 「だから、遥幸さんが好きって聞いたから、聞いてるんすよ」 お前ちょっと顔赤くない? そう思った瞬間、俺の体にはぞぞぞっと鳥肌が立った。 うそだろ。 なにか良くないことが起こりそうな気がする。 |