4 俺は人形じゃない。 生きてるんだから人並みに感情がある。 何もしなくていいと言われたって、余計なことしなくていいと言われたって、居なくても居てもいい存在みたいに扱われるのは、嫌だ。 「な、なんでそんなこと言うんですか!!小早川さんのために買ってきたのに?!俺心配してるんすよ?!」 いろんな思いが溢れてきて、「なんで?!」って気分になる。 どうしてそんなにうまくいかないんだろう。 どうしていつもいつも、こんなにもやもやしなきゃいけないんだろう。 そう思いながら声を出したら、予想外に大きかった。 「声がでかい……俺別にお前に心配してなんて頼んでないよ」 早川さんは、むっと眉を寄せて俺を見た。 俺は、ビニール袋をきゅっと握って、早川さんを見つめ返す。 興味を持ってもらえるだけ、嬉しいことだと思った。 嫌われるだけいいのかなって。 嫌われてるってことは、俺を見てもらってるってことだし。 だけどやっぱり、違う。 好きな人には、好意を持ってもらいたい。 嫌いじゃ、苦しい。 早川さんの視線が、返事が冷たいほど、俺は苦しくて、傷つく。 「そんなに、俺のことが嫌いですか」 「隼也?」 「俺が買ったものすら受け取れないぐらい、俺のこと嫌いですか?」 「それとこれは違うだろ」 「俺心配なんです。ただ、純粋に、心配なんです。仕事休みだって聞いて、風邪って聞いて。来たけど元気ないから、少しでも元気になって欲しいって思って」 本当に、そう。 俺、早川さんめったに休まないから、本当に心配した。 何言ってるかわからなくなってきて、だんだん目の奥が熱くなる。 鼻の奥もツンっとする。 「隼也、なんで泣くんだよ。困るんだけど。俺が泣かせたみたいじゃん」 「っ、だって、そうじゃないっすか。早川さんがひどい事言うから」 「……ごめんって、それは謝るよ。言いすぎた」 |