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ぎょっと目を開く俺をよそに、シノはニヤニヤと笑ったまま俺の腕を掴むと引っ張った。


「シ、シノ……さん!!」

「案外気持ちいいかもしれないだろ?俺もしたことねーからわかんねんけど」

「腕痛いよ!!」

「痛い?男が弱音はいてんじゃねぇ」

「痛いものは痛いから!!」


ガッと引っ張られた腕。
その勢いで俺の体が傾く。

かと思ったらシノは「立て」と俺に命令してきた。


「シノさん……ッ」

「なに怖がってんだよ」

「怖がってはないです!!」

「じゃあ立てよ」

「だって……」

「あ?」


喉仏にちんこ擦り付ける?
なにそれ、なにそれ。
意味わかんないし、そんなこと強要するこの人もかなり変態?
もうむり、意味わかんない。

俺の目はシノの喉仏をジィっと捉える。
体格の割には主張しているそれ。

シノは俺が見ているのがわかったのか、少し顎を上げてごくっと生唾を飲み込んで見せた。
見せつけるようなその仕草に、俺はドキッとしてしまう。
だって、ずるい。
好きってわかってて、そんな、こと、するなんて。
煽られる、どんどんこの人のペースに載せられてってる。


「う、ぅ……」

「ほぉら、やってみろって、じゃねーとしゃぶるぞ」

「意味わかんないですって……」

「つか、お前はいつまで履いてんだ、ほら」

「っあ!!ちょ?!」


シノがぐいっと俺の下着のゴムを引っ張ったせいで、立ち上がっていた俺のは表に露になってしまう。

恥ずかしがることでもないのに何故か恥ずかしくて、慌てて隠したら、シノはまた何が面白いのかというように吹き出した。


「何笑ってるんですか」

「ん?いや、普通笑うだろ。何恥ずかしがってんだよ。童貞かよ」

「うっ、うるさいなぁ?!」

「おらおらその調子だ。」


はははっと笑いながら、シノが俺に近づいてくる。
そして、少し膝立ちになると、俺の方を見上げるようにして、喉仏を強調させた。


「ん、俺もここで扱いたことねーから分かんねーけど。」

「シ、……っ、あ……」


ん、と言う声と共にシノが俺のそれにぐっと喉を近づけた。