4 どうせ俺は抜けても何も言われないし、と思って俺は会社を出た。 近くにドラッグストアがあったはずだ。 なにか足しになれば、なんて思いながら、俺は歩く。 早川さんの看病に行きたいな。 いや、でもそれは大袈裟? 逆に迷惑だったりして。 でも俺真面目にするし……。 やめとこ、俺早川さんに嫌われてるし。 俺は早川さんのこと好きだけどなー……。 それとこれは別かな……。 口笛を吹きながらそのまま俺は人の少ない、ビルの立ち並ぶ通りを歩く。 昨日のラーメンのお礼も兼ねて、みたいな。 今度うちでご飯食べて行ってくれないかなぁ。 絶対美味しい。 あのラーメン屋さんも美味しかったけど、負けず劣らずうちのコックが作る料理も美味しい。 きっと兄貴も義姉さんもお父さんもお母さんも喜ぶだろうし! やっと見えてきたドラッグストアに入って、俺はじーーっと風邪薬を眺める。 俺いつも風邪ひいたら、医者に診てもらって薬もらうから全然わかんないなぁ。 何がいいんだろう。 とりあえず一番高いやつ? 『総合風邪薬』と書いてあるビンのものを取って、俺は店内をぐるぐる歩く。 風の時俺何食べてたっけ? 何してたっけ? あ、おでこに氷置いてた。 あと、お粥?ゼリー? いや、俺はすぐ点滴打ってもらうから、お粥もゼリーも食べれないほど苦しんだことがないんだけど……。 そう聞いたことがある。 レトルトのお粥と、ゼリー。 とりあえずそれも持つ。 あと、栄養ドリンクとかだろうか? 大学にいる子がたまに飲んでたから、それを思い出してそれも持った。 そしてそのままレジを通って、袋に入れてもらう。 帰り間際の早川さんに渡して、昨日はありがとうございましたって言っとこう。 俺そういえば昨日お礼言ったっけ? たとえ俺のためじゃなくても、ご飯連れて行ってくれることが、「俺のこと嫌いな早川さん」っていうスタートからだったらすごく嬉しくていいことだし!! これ渡しながらお礼言って、「また連れてってください」っていうんだ! |