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要らなくなった紙をまとめて縛ったり、機密書類をシュレッダーにかけたり。
してることは多分ただの雑用係。

俺はそれをしながら早川さんを待つことにした。


「おはようございます」

「いで!!」


出入口付近でちょっと片付けをしていた時だった。突然ドアが開いて、ゴチっと音がする。
おでこを開いたドアにぶつけてしまった。

すごく痛い。

俺はそこをさすりながら、「もぉおお」と声を出す。

ドアの向こうから入ってきたのは早川さんだった。


「あぁ、おはよう小早川くん。仕事デスクの上置いといたから頼むよ」

「はい」


ビシリと決まったスーツで俺を無視して入っていく早川さん。
え、まじか。
なんて思いながらその姿を目で追う。


「早川さん!おはようございます!」

「うん。おはよ」


早川さんは調子が悪いのか、俺の挨拶に小さい声で応えるとデスクに座ってしまった。