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「は……ん……っう」

「志乃、さ」


唇をくっつけたり、離したり。
繰り返していたら、お互いじれったくなって舌を出してしまった。
そのタイミングが同じだったせいで、その舌が絡む。

ん、甘い。
甘くて、熱い。

ハルの舌を絡めながら、吸って。
たどたどしかったハルの舌の動きが、だんだん巧みなものに変わっていく。

こいつは、なんでこんなにテクニックが地味にあるんだろう。
むっつりか?むっつりだからか?


「志乃さん、だめ、だって」

「だめっていいながら、やってんの、お前」

「ん、だって……」


気持ちいい。
ハルがそうやって蕩けた声を出すから、俺の腰のあたりから背中までゾクゾクと何かが駆け上がっていく。


「志乃さん、はぁっ」


そんなことを言われると、俺まで気持ちよくなる。
頭が白く塗れて、口の端から唾液が零れていくのも構わずにちゅううっとハルの唇に吸い付いた。

まるで、「かわいい」というかのように頭をなでられて、思わず「あ」と声が漏れた。

すると、少し跳ね返すように慌てて体を離したハルが、顔を真っ赤にして首を振った。


「志乃さん、もう、もうだめ」

「もうだめっ……て、お前がしてきたんじゃねえか」

「だって、なんだか……抑えきれなくなったんですもん……」


可愛いなって思うより先に、そのまましてくれりゃいいのに。
なんて思ったりして。
なんでだろうなぁ、優しくされるやつほど酷くされてみたい、と思ってしまうのは。