2 「志乃さん。キスしてもいい?」 「ん?あ、あー……いいけど」 「ありがとう志乃さん……」 俺がお粥を食べるのに戸惑っている間、ハルはタンスを漁っていた様だったけど、俺がお粥を食べ終わると俺の前に来てそう言った。 もしかしてずっと我慢していたんだろうか。 「志乃さん、……へへ」 「なんだよ気色悪い……」 「いやぁ、俺のベッドの上に志乃さんがいるのって新鮮で。」 言い終わるか言い終わらないかのところで、ハルの唇が俺の唇に触れた。 むにゅ、と形が変わって生ぬるい唇の感触を感じる。 「むっつり、エロい妄想しただろ?」 「してないとはいえないです」 「元気だなぁ……」 「元気って……」 ぎゅうっと俺を抱きしめる腕が、絶妙な力加減で心地いい。 それだけでかなり気持ちいい。 ハルの体に体をあずけたら、ハルは俺をしっかりと抱き留めて、背中を優しくなでてくる。 じんわりと体の中が、温かくなって思わず目を伏せてしまう。 そのままハルの背中に腕を回したら、またハルが俺の唇にキスをした。 「ん、志乃さん。」 何かを抑えて、でもそれでも溢れてしまったような声音。 それを聞きながら、俺はうっとりとそのキスに応えた。 俺に訪れたことのない、落ち着いた空間でとても穏やかだった。 |