2 営業メールのへったくれもないその文面に、思わず吹き出してしまって、それでもやっぱりこの人らしいと感じてしまう。 俺はすぐ様返信メールを作成する。 「お疲れ様です。何か食べに行ってもいいですけど、今からですか?」 俺の返信メールもあっさりしてる気がする。 けど、他に返す言葉もないから、そのままこれを送信。 するとまた、驚くべきスピードで返事が返ってきた。 慌ててそのメールを開いてから、固まる。 だってその文面には 「早く。会いたい」 と、記されていて。 それを読むと同時に頭がクラッとして、ドキッとした。 この人にとってはそんな深い意味なんて無いんだろうけど俺にとっては、そんな軽い意味で済まされない。 きっとあの人の言葉と、俺の言葉じゃ重さが違う。 けど、けど、すごく嬉しい。 「どこにいるんですか?すぐ行きます。」 部屋着にパーカーを羽織って、財布と鍵だけ持つと、俺は直ぐに家を出た。 車で行けばいい。 どうせお酒は飲まないだろうし。 お腹すいた。 それだけでも、志乃さんが頼ってくれるのはすごく嬉しい。 この瞬間、誰でもなく俺を選んでくれたのが、嬉しい。 それに志乃さんに会えるのも嬉しくて。 俺は雨が降る中車にキーを挿し込むと、そのまま回してエンジンをかけた。 |