5 「それはそれは、冴えた勘ですね」 あぁ、裸だ。 仰向けになって俺は目の前の男に生まれたままの姿を晒している。 両手を拘束されて、目隠しをされて。 「褒められてるのかな?ありがとう。志乃、ここは慣らしてる?」 男は今どんな顔をしているのだろう。 見えないのは見えないので楽だけど、気味が悪い。 正体がわからない物体を、ケツの穴に押し付けられて、俺はゆるく首を振った。 誰も来ると思ってなかったから、慣らしてない。 予約が入ってない日は大抵、慣らさずに相手の前でプレイの一環として自分で慣らす。 今日もそれでいいやと思っていたから。 「そうか、よかった。君のここはユルいからね。慣らしてない方が絶対に気持ちいい。」 「……、そのま、ま」 「当たり前だろ?さぁ、僕の勃ってないから勃たせてよ。」 閉じていた口に当たる男の萎えたそれ。 しばらく閉じていたら、男の指が唇を撫でてそのまま唇の間を割り開くように入ってくる。 「噛むなよ」 「わかってますよ。商売ですから」 無理矢理に口を開けられて、オレはそれに抗わずに口をさらに開いていく。 鼻をつく臭いに、慣れない感触。 「舐めて」 口入ってきたそれに、まずは形を把握するように俺は舌を這わせていく。 「んぁ……あ」 どこをどう舐めればいいのか、それは知ってる。わかる。 けどやっぱり、自分のと人のでは違う。 自分で気持ちいいとこはわかってても、なかなかそこを気持ちいいように刺激するってのは、自分の体じゃないから難しい。 今こうしてて、相手がどう感じてるのかわかんないから、なかなか、掴めない。 口をすぼめれば、男が腰を動かして、口の中のそれが出たり入ったりを繰り返し始める。 「もっと、舌絡めて」 「ん、ぁ……っんく、」 |