1 あー、腹減った。 今日の昼飯なんだっけ、あー……パチで三万負けたからしばらく飯なしって言われたんだった。 仕方ねぇだろ。 毎日毎日勝てるわけねーんだから。 でも一日そんぐらい稼いでんだからー……って、一日稼ぐ分は借金返したらチャラなんだっけか。 くっそー。 飯くいてー。 木曜日。 また客は少ない。 火曜日にもまして客は少ないからマジで暇だ。 週末とかは忙しいけど、ほんと平日は暇を極める。 ちらっとハルでも来ねぇかなぁ。 来てくれたら暇つぶしにぐらいなるんだけど。 あー、眠てぇ。 あくびが出る。 でも、寝たらまた手城に怒られるしそれこそ減給とかされたら真面目にやべぇし。 まぁ別に、何もせずに金を貰えるっていうのも楽でいいんだけど。 いかんせん仕事だと思って構えとかなきゃいけねーのが辛い。 俺はごろんっと横になってからケータイを手繰り寄せた。 「あ、メール来てる」 ケー帯を素直に開いてみたら、 『ラーメンでいいですか?』なんてメールが来ていて、俺はラーメンを思い浮かべる。 ラーメンか、いいな。 俺はとんこつラーメンが好きだ。 やっぱりなかなか一人でラーメン屋なんか行かないから、俺は楽しみになっていた。 いいじゃん、ラーメン。 『美味しそうだな』 そんな短文を入力して、送信。 楽しみだな。久々に人と食べる外飯。 そんなことを思っていると、ドアが軽快なノック音と共にガチャっと音を立てた。 |