6 「っあ、ん…」 「…っ?!」 聞いたことのないような、シノの甘い声が部屋に響いた。 おまけに近くにあったシノの顔は、一気にエロい顔に変わる。 思わず心臓が跳ね上がって、何かわからないけど、もう恐ろしいレベル。 反射的に手を引き抜こうとしてみたけど、やっぱりシノはそれを許してくれない。 …どうして…! やばい気がする。 限りなくやばい気がする。 どうにかしないと、やばい。 俺は何にも触れないように手を最大限に離しながら、シノから出来るだけ距離離すように体を反らす。 指先はまださっきの感覚が鮮明に残っている。 何かに触れた。 中指の先が軽く、触れた。 掠る、ように、ちょんっと。 いや、何かなんて俺が一番わかってるんだけど。 「えっち、触ったな?俺の乳首」 「触らせたんじゃないですか!!」 「触ったんだろ?スケベー」 「もう、マジでやめて…」 「なになに、顔真っ赤になってんぞ?」 「本気で、マジで、」 「もっと触れよほら」 「う、…っわ…!」 ニヤニヤと俺の顔を覗き込んだシノは、そのまま反対の手で俺の手を、それこそ胸に押し付けてきた。 ギュッと手を押し付けられたせいで、シノの平らな胸を全体で感じてしまう。 その胸は明らかに男の胸で、女の要素なんて全く感じないはずなのに、ドクン、ドクンと心臓の音を感じるたびに何故か、俺の背中はじっとりと濡れてくる。 そして中心にあるのはさっきは、少ししか分からなかったツンっと勃ったソレ。 思わず、思う。 どうして俺は、大好きなバンドの一番大好きなメンバーの…胸を触ってるんだ。 |