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「終わったっすか?」

「あー……終わったよ。」

「よかった、終わってなかったら流石にやばいっすよ」

「……うるさいなぁ……。ラーメン屋連れていくのやめようかな」

「え!!やだ!!ごめんなさい!!」


戻ったら早川さんはもう仕事を片付け終わったらしく、空調を切ったり荷物を片付けたりしていた。
そして俺が帰ってきたのを見ると、俺の荷物を渡してくれた。


「ラーメン屋どこいこうかなぁ。」

「あ、俺さっき友達に聞いたんすよ」

「友達?どうせ隼也の友達も金持ちだろ。やめろよ、貧乏人と金持ちの舌は違うんだから」

「俺逆に金持ちの友達少ないっすよ」

「その上から目線もなんかやだ」

「じゃあどうしろっていうんすか!それに俺そんなに舌よくないです。」


本当かなぁ。
なんていう早川さんに、俺はさっき調べておいた店を見せる。
スマホを覗き込む早川さん。
ち、近い。


「へえ、俺ここ知らない。高いんじゃないの?」

「それあんまり俺以外の前で言わない方がいいっすよ」

「言わないよ」

「風俗頻繁に通うくせに俺に使う金はケチくさいってどういうことっすか。ていうか本当に俺が出しますって」

「あのなー……ていうか、18歳に奢らせるわけにはいかないだろ。えぇい、そこいくぞ」

「はは、ありがとう早川さん」

「俺の名前小早川だからな」

「しつこーい」

「お前がだろ!」


早川さんと一緒に会社を出る。
会社の明かりはほとんどついてなくて、ほとんどの人が帰っているのがわかる。
けど、早川さんみたいに残業してる人はポツポツいるらしくらところどころ明かりがついている。

俺はそんな会社を見上げてから、前を向いた。


なんだかとても楽しい。