4 俺はそのままその部屋から出て、スマホを取り出した。 心臓がまだドキドキしてる。 だってそんな、早川さん俺のこと嫌いだと思ってたし、こんなことがあるなんて可能性を微塵も考えてなかったから。 ご飯いっしょに食べるとか、初めてかも。 何度もパーティーとかに呼ばれて、人とご飯食べるのは慣れているのに、こんなにも人とご飯を食べることに緊張するのは初めてだ。 大人の人ってあんな感じなんだな。 不意に「ご飯食べに行くか」って。 俺はそばの壁に背中を預けて、検索サイトを開いた。 『ラーメン屋 美味しい』 と、検索をかける。 リーズナブル、とかはいらないだろう。 さすがに。 検索結果を俺は画面をスクロールしながら、眺める。 全く知らないとこばかりだから、何がなんだかわからない。 一番評価がいいところがいいのか? ていうかもっと聞けばよかった。 どんな味が好きとか、豚骨、醤油、塩、味噌。 薄味か、こってりか。 ラーメンっていろいろあってわからないんだよな。 俺は雰囲気に惹かれたところを選んだ。 外装から落ち着いているところ。 結構ラーメンの種類も豊富だし、さっき言っていた餃子にもこだわりがありそうだ。 よし、ここにしよう。 ここを紹介しよう。 行ったことはないけど……。 まだドキドキしてる。 俺はポケットにスマホを押し込むと、深呼吸をして部屋のドアをあけた。 |