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俺はそのままその部屋から出て、スマホを取り出した。

心臓がまだドキドキしてる。
だってそんな、早川さん俺のこと嫌いだと思ってたし、こんなことがあるなんて可能性を微塵も考えてなかったから。

ご飯いっしょに食べるとか、初めてかも。

何度もパーティーとかに呼ばれて、人とご飯食べるのは慣れているのに、こんなにも人とご飯を食べることに緊張するのは初めてだ。

大人の人ってあんな感じなんだな。
不意に「ご飯食べに行くか」って。

俺はそばの壁に背中を預けて、検索サイトを開いた。


『ラーメン屋 美味しい』


と、検索をかける。
リーズナブル、とかはいらないだろう。
さすがに。
検索結果を俺は画面をスクロールしながら、眺める。
全く知らないとこばかりだから、何がなんだかわからない。
一番評価がいいところがいいのか?

ていうかもっと聞けばよかった。

どんな味が好きとか、豚骨、醤油、塩、味噌。
薄味か、こってりか。

ラーメンっていろいろあってわからないんだよな。


俺は雰囲気に惹かれたところを選んだ。
外装から落ち着いているところ。


結構ラーメンの種類も豊富だし、さっき言っていた餃子にもこだわりがありそうだ。


よし、ここにしよう。
ここを紹介しよう。

行ったことはないけど……。

まだドキドキしてる。

俺はポケットにスマホを押し込むと、深呼吸をして部屋のドアをあけた。