3 『ぐちゃぐちゃのやつ』を並べながら俺はまたあくびをした。 今日はどうしようかな。 このまま出掛けてもいいし、帰ってもいい。 かといって帰ってすることもないし。 「隼也」 「はい?」 早川さんが終わるごろに合わせるように、ゆっくりゆっくり書類を片付けていた。 多分これは、印刷して整えずにそのままおいて、そして落としてそのまま拾ってまた置いたんだろう。 バラバラだ。 「美味しいラーメン屋さん知ってる?」 「ラーメン屋?」 「そう、ラーメン屋。できたら餃子が美味しいところがいいなぁ。」 「餃子が美味しい?食べたいんすか?」 「あー……まぁ」 ラーメン屋?餃子? 俺が知ってるとこはあるにはあるけど。 「今?」 「いま、かなぁ」 「連れてってあげましょうか?麺類全部取り揃えてるとこあるんすよ。多分餃子もあったと思うっすよ。天ぷらとか」 「……待って待って、お前に聞いたのが勘違いだった。お前金持ちだったな……」 「どういうことっすか」 「俺が持てるとこがいいんだよ。お前を連れてっていってあげようと思って」 思わず書類から目を離して、早川さんを見る。 早川さんは、パソコンの画面を見ながら、作業を続けていた。 「え?!」 「まぁ、たまにはな」 「……ちょ、と。トイレ行ってくるっすね、俺」 「え、あぁ。うん。」 なんか心臓が、ドキドキとうるさかった。 |