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「なにしてるんすか。早川さん」


仕事も何もなくて、ぼうっと過ごすバイトは暇だった。
バイト、早川さんがいるからいつも楽しかったんだなーなんて思う。
まぁ、楽しくないのが仕事だからそれは当たり前で、俺はいつも早川さんをかなり邪魔してたんだなーと、思い知った。
のだけど。
現在18時。
定時は1時間過ぎている。
それなのに、早川さんはパソコンの前に座っていた。

「うっ、うるさいな……」

「もしかしてドン臭い?俺話しかけてないから、俺が邪魔したとかそんなん無いっすからね」

「気にしてたの?」

「早川さん意外と二つのこと一気に出来ないんだって気づきました」

「馬鹿にするなら帰れよ……もー……お前のせいなんだからな」

「なんでっすか」

「しかもさぁ、なんで帰らないんだよ。もう6時だぞ」

「早川さんが終わるまで待とうかなって」


話してない分、できるだけ一緒にいたくて。
なんて思って俺はいつも17時きっちりに帰る所を、早川さんから離れたところでずっと待っていた。
別に一緒に帰るとかじゃなくて、お疲れ様でした、とか言って帰るつもりだった。

それなのにあまりにも長引くから……。
俺はひとつあくびをした。


「手伝いましょうか」

「教えてないのだから」

「教えてください」

「嫌だ効率が悪い」

「ケチ」

「じゃあさ、そこのぐちゃぐちゃのやつ、片しながら並べといて。明日使うんだ」

「はーい」