2 「なにしてるんすか。早川さん」 仕事も何もなくて、ぼうっと過ごすバイトは暇だった。 バイト、早川さんがいるからいつも楽しかったんだなーなんて思う。 まぁ、楽しくないのが仕事だからそれは当たり前で、俺はいつも早川さんをかなり邪魔してたんだなーと、思い知った。 のだけど。 現在18時。 定時は1時間過ぎている。 それなのに、早川さんはパソコンの前に座っていた。 「うっ、うるさいな……」 「もしかしてドン臭い?俺話しかけてないから、俺が邪魔したとかそんなん無いっすからね」 「気にしてたの?」 「早川さん意外と二つのこと一気に出来ないんだって気づきました」 「馬鹿にするなら帰れよ……もー……お前のせいなんだからな」 「なんでっすか」 「しかもさぁ、なんで帰らないんだよ。もう6時だぞ」 「早川さんが終わるまで待とうかなって」 話してない分、できるだけ一緒にいたくて。 なんて思って俺はいつも17時きっちりに帰る所を、早川さんから離れたところでずっと待っていた。 別に一緒に帰るとかじゃなくて、お疲れ様でした、とか言って帰るつもりだった。 それなのにあまりにも長引くから……。 俺はひとつあくびをした。 「手伝いましょうか」 「教えてないのだから」 「教えてください」 「嫌だ効率が悪い」 「ケチ」 「じゃあさ、そこのぐちゃぐちゃのやつ、片しながら並べといて。明日使うんだ」 「はーい」 |