1 おかずにしてしまった反面、早川さんに絡みに行くのは忍びない気がして、行けなかった。 いや、さすがに話していたら勃つ、なんてことはないにしろ、何となく申し訳なくてあまり顔を見られたもんじゃなかった。 そうっと早川さんを見て、はぁ、と 思う。 早川さんでしてあんなにイイなんてなぁ。 昨晩のことを思い出して、恥ずかしさと罪悪感とほんの少しの熱に「あぁあ……」と頭を抱えたくなる。 ほんと、なにしてんだろう。 でも、……早川さんにあんな風にいじめてもらいたい、とか思う。 もともと女の子に興味はなかったけど、まさか俺、男で興奮するなんて……。 でもなんか、そう考えると女の子に興味なかったのも納得っていうか。 あー……話したい。 話せないのがモゾモゾして焦れったい。 早川さんに見られたい。 俺に掛けられる言葉が聞きたい。 けど、妄想の中でも早川さんに仕事の邪魔するなって言われたから、今日ぐらいはしないでおこうと思う。 さっき早川さんに話しかけられたのはびっくりしたけど。 早川さんから話しかけられるなんて、仕事の頼みぐらいだし、最近は俺から「それやります」とか言ってたから、話しかけられてなかったかもしれない。 いつも仕事に熱心な早川さんが俺のこと気にするなんて。 多分昨日風俗行ってたんだろうなぁ。 だから、スッキリしてるんだろうなー……。 執心の元女優さん。 そんなに綺麗なんだろうか。 そんなにその女優さんとするセックスは気持ちいいんだろうか。 そんだけじゃないか。 ……早川さんのことだから、その女優さんの境遇に共感して哀れんじゃって、同情してるのかも……。 救ってあげたいとか考えてるのかも……。 だから、好きになっちゃって守りたいとか……。 有り得るな……。 あー……早川さんは好きな人がいるんだよな……。 胸の中が、もやもやする。 ぐるぐるして、うっと吐き出したい気分。 それなのに出ていく気配がなくて、困った。 |