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おかずにしてしまった反面、早川さんに絡みに行くのは忍びない気がして、行けなかった。
いや、さすがに話していたら勃つ、なんてことはないにしろ、何となく申し訳なくてあまり顔を見られたもんじゃなかった。

そうっと早川さんを見て、はぁ、と
思う。

早川さんでしてあんなにイイなんてなぁ。

昨晩のことを思い出して、恥ずかしさと罪悪感とほんの少しの熱に「あぁあ……」と頭を抱えたくなる。

ほんと、なにしてんだろう。
でも、……早川さんにあんな風にいじめてもらいたい、とか思う。

もともと女の子に興味はなかったけど、まさか俺、男で興奮するなんて……。
でもなんか、そう考えると女の子に興味なかったのも納得っていうか。

あー……話したい。
話せないのがモゾモゾして焦れったい。
早川さんに見られたい。
俺に掛けられる言葉が聞きたい。
けど、妄想の中でも早川さんに仕事の邪魔するなって言われたから、今日ぐらいはしないでおこうと思う。

さっき早川さんに話しかけられたのはびっくりしたけど。
早川さんから話しかけられるなんて、仕事の頼みぐらいだし、最近は俺から「それやります」とか言ってたから、話しかけられてなかったかもしれない。

いつも仕事に熱心な早川さんが俺のこと気にするなんて。
多分昨日風俗行ってたんだろうなぁ。
だから、スッキリしてるんだろうなー……。
執心の元女優さん。
そんなに綺麗なんだろうか。
そんなにその女優さんとするセックスは気持ちいいんだろうか。

そんだけじゃないか。

……早川さんのことだから、その女優さんの境遇に共感して哀れんじゃって、同情してるのかも……。
救ってあげたいとか考えてるのかも……。
だから、好きになっちゃって守りたいとか……。


有り得るな……。


あー……早川さんは好きな人がいるんだよな……。


胸の中が、もやもやする。
ぐるぐるして、うっと吐き出したい気分。
それなのに出ていく気配がなくて、困った。